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お渡り式の時代行列
平安貴族から戦国武士まで、各時代の装束をまとった数百人が市中を進む生きた絵巻。

若宮の神を、芸能でもてなす。── 八百年の古式絵巻。
十二月の奈良。春日若宮の神を一日だけ御旅所にお迎えし、平安以来の芸能をひと晩かけて奉納する。八百年以上途切れず続く神事だ。
春日大社と、参道・御旅所、奈良の市街が舞台。古都の冬の空気が祭りを包む。
平安から江戸までの装束が一堂に会する行列と、古典芸能の宝庫。見どころは三つ。
平安貴族から戦国武士まで、各時代の装束をまとった数百人が市中を進む生きた絵巻。
神楽・田楽・猿楽など、いまに伝わる古典芸能を若宮の神前で夜通し奉納する。
一の鳥居の「影向の松」の前で芸能集団が舞を披露する、由緒ある作法。
この祭りを支えるのは、神職と、芸能を奉仕する人々、そして地域の「大和士(やまとざむらい)」たちだ。八百年以上、戦乱や飢饉のときも途切れさせなかった。古い形をそのまま今に手渡す人々の覚悟が、この神事を生かしている。