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お松明
練行衆の足元を照らす大松明が、欄干を勢いよく走る。降る火の粉を浴びると無病息災とも。

燃える松明が、欄干を走る。── 千二百年絶えぬ祈り。
三月、東大寺二月堂。「お水取り」で知られる修二会(しゅにえ)。夜、燃え盛る大松明が二月堂の欄干を駆け、火の粉が観衆へ降りそそぐ。
世界遺産・東大寺の二月堂が舞台。舞台造りの欄干を松明が走る光景は、ここでしか見られない。
燃える松明の迫力と、千二百年続く祈りの厳かさ。火と信仰の行だ。見どころは三つ。
練行衆の足元を照らす大松明が、欄干を勢いよく走る。降る火の粉を浴びると無病息災とも。
深夜、若狭井から「お香水」を汲み上げる神秘的な儀式。祭りの名の由来。
千二百年以上、戦乱の世も絶やさず続けてきた行。火の裏にある長い祈りの重み。
修二会を勤めるのは、選ばれた「練行衆(れんぎょうしゅう)」の僧たちだ。二週間、ほとんど眠らず行を続け、人々に代わって罪を悔い、平安を祈る。観光の華やぎの裏に、千二百年つながれた厳しい祈りがある。