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高知8月と札幌6月・よさこいとYOSAKOIソーランの違いと規模

2026.10.28 読了 16分

「よさこい」と検索すると、高知の祭と札幌の祭が混ざって出てきます。

この2つは別の祭です。開催地も時期も違い、踊りのルールまで違います。ただ名前が似ているのは偶然ではなく、札幌の祭が高知の祭から生まれたからです。この記事は、両方の主催者が出している情報だけを使って、2つの違いを整理します。

3分で説明すると

  • よさこい祭り=高知市。毎年8月9日〜12日。1954年から
  • YOSAKOIソーラン祭り=札幌市。6月。1992年から
  • 規模は札幌のほうが大きい(約275チーム/高知は約200チーム)
  • ★ルールが違う。高知は「よさこい鳴子踊り」が基礎。札幌は「鳴子を持つ」「曲にソーラン節を入れる」の2つだけ
  • 名前が似ているのは、1991年に高知のよさこい祭りを見た北海道大学の学生が札幌で始めたから
  • 共通点は鳴子。これだけは両方に必ずある
  • どちらも沿道で見るのは無料。座席は高知が1,000円〜、札幌も1,000円〜

よさこい祭りとYOSAKOIソーラン祭りは別の祭

まず主催が違います。高知のよさこい祭りはよさこい祭振興会、札幌のYOSAKOIソーラン祭りは札幌市・札幌観光協会・札幌商工会議所・YOSAKOIソーラン祭り組織委員会が主催です。サイトも別々にあります。

似ているのは「鳴子を持って踊る」という一点で、そこから先はほとんど違います。札幌の組織委員会は自分たちの祭を「高知県の『よさこい祭り』をルーツとし、1992年に誕生した」と書いています。つまり札幌側も、高知が元だということを明示しています。

ややこしいのは表記です。高知はひらがなの「よさこい祭り」、札幌はローマ字の「YOSAKOIソーラン祭り」。検索するときはこの違いで分けると混ざりません。

2つの違いを表で比べる

よさこい祭り YOSAKOIソーラン祭り
場所 高知市(追手筋ほか) 札幌市(大通公園ほか)
時期 毎年8月9日〜12日(固定) 6月(2026年は6月10日〜14日)
日数 4日間 5日間
始まり 1954年(第1回) 1992年(第1回)
回数 2026年で第73回 2026年で第35回
チーム数 約200チーム 275チーム(2026年)
踊り子 約2万人 約2万7千人(2026年)
観客 発表された数字なし 228万5千人(2026年)
曲 「よさこい鳴子踊り」が基礎 ソーラン節のフレーズ必須
鳴子 両手に持つ 両手に持つ(共通)
有料席 桟敷席1,000〜3,000円(追手筋・一般席) 桟敷席1,000円〜/ファイナル6,000円

場所と時期がまず違う

高知は8月9日から12日で固定です。曜日に関係なく毎年この4日間です。札幌は6月の水曜から日曜という形で、年によって日付が動きます。2026年は第35回が6月10日(水)〜14日(日)でした。

2027年(第36回)の日程は、2026年10月の時点でまだ発表されていません。 札幌のスケジュールのページはまだ第35回のままです。高知の2027年(第74回)は日付が固定なので8月9日〜12日で考えて問題ありません。

この「時期が2か月以上離れている」ことが、あとで出てくる「両方行く」という選択肢につながります。

規模は札幌のほうが大きい

チーム数は高知が約200、札幌が275(2026年)。踊り子は高知が約2万人、札幌が約2万7千人です。34年で、元の祭より大きくなりました。

観客数は比較しづらいところがあります。札幌は組織委員会が毎回の数字を出していて2026年は228万5千人でしたが、高知は高知市の案内にも来場者数の記載がありません。規模を数字で比べられるのは札幌側だけです。

札幌の伸び方は極端です。第1回(1992年)は10チーム・約1,000人・観客20万人・3会場でした。10年後の第10回(2001年)には408チームまで増え、これが過去最多です。その後は270〜350チームで落ち着いています。

音楽と踊りのルールが違う

ここが一番の違いです。

札幌の基本ルールは2つだけと組織委員会が明記しています。

  1. 手に鳴子を持って踊る
  2. 曲にソーラン節のフレーズを入れる

踊り・曲・衣装は、それ以外すべてチームの自由です。

高知は「よさこい鳴子踊り」という決まった曲が基礎にあります。振興会は祭りを鳴子・衣装・音楽・振り付け・地方車の5要素で説明していて、かつては正調の鳴子踊りが主流でした。いまはロック・サンバ・クラブ調・演歌などにアレンジされていますが、元の曲が「よさこい鳴子踊り」であることは変わりません。

つまり高知は「よさこい鳴子踊り」が共通項、札幌は「ソーラン節」が共通項です。鳴子だけが両方に共通しています。

高知のよさこい祭り|阿波踊りに対抗して作られた

高知の祭の成り立ちは、振興会の歴史ページにはっきり書かれています。

1953年に商工会議所が企画した

1953年(昭和28年)、戦後の不況を盛り上げるため高知市の商工会議所が企画しました。その目標は「徳島の阿波踊りに対抗する祭りにすること」だったと書かれています。

振り付けは日本舞踊の五流派の師匠に依頼し、作詞作曲は高知市在住の武政英策が担当しました。

第1回は1954年(昭和29年)8月10日・11日。日取りは過去40年間で降水が少なかった日から選ばれました。このときの踊りは伝統的な盆踊り風だったとされています。いまのような派手な祭ではありませんでした。

鳴子は鳥を追い払う農具だった

鳴子が入った理由も、はっきりしています。阿波踊りが「素手」で踊るのに対して、武政の提案で「鳴子」を使うことになった。阿波踊りとの差別化のために選ばれた道具です。

その鳴子は、もともと農作物を狙う鳥を音で追い払うための農機具でした。これを踊り手が両手に1つずつ持ってカチカチと鳴らします。振興会は音が揃ったときの美しさが見どころだとして、鳴子を「楽曲を構成する楽器のひとつ」とも書いています。

基本の形は朱色の本体に黒と黄色の「ばち」。近年はチーム独自のデザインも増えました。高知市内の土産物屋で売っています。なお材質は案内に書かれていません。

自由になったのは1972年頃から

高知の祭が変わったのは1972年頃です。サンバやロック調の曲で踊るチームが現れました。きっかけは武政が「よさこい鳴子踊り」の使用を一般に許可したことで、ここからアレンジ・振り付け・衣装の自由度が一気に上がりました。

同じ時期に、踊り子は日当をもらう形から参加費を払う形に変わり、若者と女性が増えました。生バンドを載せたトラックが踊り子を先導するようになり、これが「地方車」と呼ばれるようになりました。

関連行事が加わった年もはっきりしています。1991年に前夜祭、1995年に後夜祭、1999年に全国大会です。札幌の祭が生まれた1992年は、高知が前夜祭を始めた翌年にあたります。

札幌のYOSAKOIソーラン祭り|ルールは2つだけ

札幌は、高知の祭を見て作られた祭です。ただそのまま真似したわけではありません。

鳴子を持つ/ソーラン節を入れる

札幌が持ち込んだのは鳴子だけで、曲は北海道のソーラン節に替えました。組織委員会は自分たちの祭を「よさこい祭りの鳴子と、北海道民謡のソーラン節を組み合わせた祭り」と説明しています。

そしてルールを2つに絞りました。鳴子を持つこと、曲にソーラン節のフレーズを入れること。この2つさえ守れば、あとは何をしてもいいという設計です。高知が「よさこい鳴子踊り」という曲を共通項にしているのに対して、札幌はフレーズだけを共通項にしたことになります。

見た目にも差が出ます。札幌は大通公園のステージとパレードが軸で、審査があって最終日にYOSAKOIソーラン大賞が決まります。高知は市内16会場を回る形で、地方車が音を出しながら進みます。

10チームから275チームへ

第1回(1992年6月)は地元9チームに、高知のよさこい祭りのグランプリ受賞チームを招いた形でした。合わせて10チーム、踊り手は約1,000人(1チーム約100人)、観客は約20万人、会場は3ヶ所です。

そこから第35回(2026年)で275チーム・約2万7千人・観客228万5千人・17会場になりました。経済波及効果は246億円(2016年・北海道二十一世紀総合研究所調べ)、祭の総予算は約1億9千万円と組織委員会の報告書に出ています。

途中で止まった年もあります。第29回(2020年)と第30回(2021年)は新型コロナで中止です。再開した第31回(2022年)は195チーム・10会場まで縮みましたが、第35回で275チームまで戻りました。

なぜ名前が似ているのか

札幌の組織委員会は「高知県の『よさこい祭り』をルーツとし」までは書いていますが、誰が始めたかは書いていません。報告書も「よさこい祭りの熱気に魅せられた若者たち」までで、個人名は出てきません。

経緯を具体的に書いているのは、この祭が1998年にサントリー地域文化賞を受けたときの記録です。そこにはこうあります。

  • 当時北海道大学1年生だった長谷川岳が、1991年に高知を訪れてよさこい祭りを見た
  • 鳴子を鳴らして力強く踊る人々に強く心を動かされた
  • 北海道に戻って仲間に呼びかけ、応じた5人の大学生が実行委員会を結成した
  • 行政や警察への協力依頼や許可申請では断られ続けたが、粘り強く働きかけた
  • 翌1992年6月に第1回を開催した

つまり名前が似ているのは、高知の祭を見た学生が札幌で作ったからです。合言葉は「街は舞台だ!日本は変わる」でした。

初期は歓迎されていません。組織委員会の報告書にも、ある町で「そったらもの」と言われて一度断念したという話が残っています。

ソーラン節とは何の歌か

札幌の祭の必須条件になっているソーラン節は、北海道の民謡です。組織委員会は「漁師がニシン漁の際に歌った労働歌が元になっている」と説明しています。

もう少し細かく書いているのは小樽市の資料です。そこではソーラン節は「沖揚げ音頭」とされていて、枠網からタモ(網)でニシンをすくい上げる作業の唄だと書かれています。

ニシン漁には4つの唄があったとされます。船漕ぎ唄・網起こしの唄・沖揚げ音頭・子はたき音頭。ソーラン節はこのうちの1つで、どれも重労働を支えた唄でした。

札幌の組織委員会が「綱引きや網上げを思わせる力強さ」を特徴に挙げているのは、元が網を引く作業の唄だからです。

なお、ソーラン節がどの地域から来たのかは小樽市の資料にも書かれていません。明治以降のニシン漁を担ったのが東北各地からの出稼ぎ漁夫で、彼らが民謡や方言を持ち込んだという説明までで止まっています。

「嫌われる理由」で検索されている

この2つを調べると、検索候補に「嫌われる理由」が出てきます。実際、どちらの祭も批判を受けてきた歴史があります。

高知側は、振興会のトリビアページに批判の記録が並んでいます。歌詞の「じんま」「ばんば」が敬老精神に反するという批判、かけ声「よっちょれ」への批判、ストリート踊り形式に対して警察から禁止命令が出たこと。歴史のページにも騒音やゴミの問題が指摘されたと書かれていて、「ひとつずつ解決してきた」としています。

札幌側は、先ほどの「そったらもの」の話が組織委員会の報告書に残っています。また同じ報告書には、地域貢献を点数化する制度について「やらされている感が出るのを心配している」という参加チーム側の声も載っています。

どちらも主催者が批判を隠していないのが特徴です。見に行くかどうかの判断材料として言えば、どちらも音が大きく、人が多い祭だということです。静かに見たい人には向きません。

どちらを見に行くか

祭の性格が違うので、見たいもので決まります。

鳴子の音が揃うのを見たいなら高知

高知の振興会が見どころに挙げているのは鳴子の音が揃ったときの美しさです。そして地方車という、音を出しながら踊り子を先導する車があります。これは札幌にはない要素です。

高知は市内16の競演場・演舞場を回る形なので、歩きながら次々に違うチームを見られます。追手筋には有料の桟敷席があり、座って見られます。8月の高知は暑いので、座席の屋根の有無は確認したほうがいいところです。

日程は8月9日〜12日で固定。前夜祭・本番2日・全国大会で日ごとに中身が変わります。

→ よさこい祭り2027の日程|高知の4日間とどの日に行くか

ステージとパレードを見たいなら札幌

札幌は大通公園のステージと、パレードが軸です。審査があって、最終日の夜にYOSAKOIソーラン大賞が決まります。勝ち負けのある祭を見たいならこちらです。

有料席の作りも違います。2026年の実績では、パレードの桟敷席が1枚1,000円、大通西8丁目ステージの特別観覧席が1,500円。そして大賞が決まるファイナルステージ2部が6,000円と、見るものによって値段が分かれています。高知の桟敷席が昼の部・夜の部で分かれているのに対して、札幌はプログラム単位で売っている形です。

6月の札幌は気温が低く、高知の8月よりはるかに歩きやすいのも違いです。会場は17ヶ所(2026年)で、飛び入り参加できる「ワオドリスクエア」やグルメイベントも併設されています。

ただし2027年の日程は未発表なので、宿を取るタイミングは組織委員会の発表を待つ形になります。

→ YOSAKOIソーラン祭り2027の日程|何日目に行くか・観覧席の料金
→ YOSAKOIソーラン祭りの大賞|歴代受賞チームと審査の基準

6月の札幌と8月の高知は、同じ年に両方行けます。どちらも祭の期間は宿が埋まるので、日程が決まっている側から押さえるのが現実的です。高知は8月9日〜12日で固定なので、先に動けます。

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全国に広がったよさこい系の祭

鳴子を持って踊る祭は、高知と札幌だけではありません。

高知の振興会は、よくある質問の中で高知のチームが遠征する形で見られる祭として次の4つを挙げています。

祭 場所 時期
YOSAKOIソーラン祭り 北海道札幌市 毎年6月
原宿表参道元氣祭 スーパーよさこい 東京都渋谷区 毎年8月
坂戸よさこい 埼玉県坂戸市 毎年10月
よさこい東海道 静岡県沼津市 毎年11月

振興会は「よさこい祭りに関連する祭りやイベントも増えており、お住まいの地域でも開催される可能性がある」としています。札幌の祭は、高知側からも「高知のチームが遠征する祭」として位置づけられていることになります。

高知自身も1999年から「よさこい全国大会」をやっています。8月12日に、全国から来たチームが追手筋・帯屋町・高知城・東洋電化中央公園で踊ります。高知市も祭が「日本のみならず、世界にもひろがりつつある」としています。

札幌側の広がりは数字が出ています。組織委員会の報告書によると、2023年に道内69市町村・479の祭りやイベントで演舞しました。道外で演舞した例として挙がっているのは、名古屋の「にっぽんど真ん中祭り」、高知の「よさこい祭り」(第70回に参加)、三重県津市の「安濃津よさこい」です。愛知・三重・石川・滋賀・熊本・山口・福井・岐阜・静岡・宮崎・大阪・茨城・宮城にも出ています。

海外では上海万博(2010年)・洞爺湖サミット(2008年)・冬季アジア大会(2017年)で披露されています。

ただし「よさこい系の祭」を網羅した一覧はありません。上に挙げたのは、2つの主催者が自分の資料に書いている範囲です。

→ 全国のよさこい祭り2027|仙台・佐世保・光が丘ほか月別一覧

よくある質問

Q. よさこい祭りとよさこいソーランの違いは何ですか
別の祭です。高知が8月9日〜12日、札幌が6月。高知は1954年から、札幌は1992年から。踊りのルールも違い、高知は「よさこい鳴子踊り」が基礎、札幌は「鳴子を持つ」「曲にソーラン節を入れる」の2つだけです。共通点は鳴子です。

Q. 2027年の札幌のソーラン祭りはいつですか
2026年10月の時点で未発表です。スケジュールのページは第35回(2026年6月10日〜14日)のままです。例年6月の水曜から日曜にかけて5日間です。

Q. ソーラン節は何の踊りですか
元は踊りではなく、ニシン漁の労働歌です。小樽市の資料では「沖揚げ音頭」とされ、枠網からタモでニシンをすくい上げる作業の唄だと書かれています。

Q. どちらが規模が大きいですか
札幌です。2026年は275チーム・約2万7千人・観客228万5千人。高知は約200チーム・約2万人で、来場者数は発表されていません。

Q. 鳴子はどこで買えますか
高知市内の土産物屋で売っています。

Q. どちらも無料で見られますか
沿道やステージ前で見るのは無料です。札幌は大通西8丁目ステージのアリーナ席も、6月12日と14日の特別企画を除いて無料開放でした(2026年)。座って確実に見たい場合は、高知は追手筋の桟敷席、札幌はパレード桟敷席やステージ特別観覧席があります。

まとめ|1行で言うと

  • 高知=よさこい祭り。8月9日〜12日固定。1954年から。約200チーム・約2万人
  • 札幌=YOSAKOIソーラン祭り。6月。1992年から。275チーム・約2万7千人(2026年)
  • ★ルールの違い|高知は「よさこい鳴子踊り」が基礎/札幌は鳴子+ソーラン節の2つだけ
  • 共通点は鳴子。元は鳥を追い払う農具で、阿波踊りの素手との差別化で入った
  • 名前が似ている理由|1991年に高知を見た北海道大学の学生が札幌で始めた
  • 2027年の札幌の日程は未発表。高知は8月9日〜12日で確定
  • 見どころ|高知は鳴子の音と地方車/札幌はステージ・パレード・大賞

時期が6月と8月で離れているので、同じ年に両方見ることもできます。先に日程が決まっているのは高知です。

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この記事の情報は2026年10月20日時点で、よさこい祭振興会の公式サイト「概要」「歴史」「鳴子」「トリビア」「よくある質問と回答」、高知市の観光情報ページ、YOSAKOIソーラン祭り公式の「YOSAKOIソーラン祭りって?」「歴史と開催結果」「開催スケジュール」「チケット販売について」とCommunication Report 2024、サントリー地域文化賞1998年の受賞記録、小樽市のニシン漁の資料を確認したものです。2027年の各日程は主催者の発表をご確認ください。

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