相馬野馬追のチケットで、まず押さえておきたいことが2つあります。
ひとつは、観覧券が必要なのは3日間のうち2日目だけだということ。もうひとつは、2026年は前売りが2月に売り切れているということです。
そのうえで、席によって見えるものが違います。甲冑競馬をよく見たいのか、神旗争奪戦をよく見たいのかで、選ぶ席が変わります。
3分で説明すると
- 観覧券が必要なのは2日目の雲雀ヶ原祭場地だけ。1日目と3日目は公式に観覧券の案内がない
- いちばん安いのは自由席の前売800円(当日1,000円)
- 中学生以下と障害者手帳をお持ちの方(介助者1名含む)は自由席が無料
- 観覧エリアは自然の山の斜面で草地。自由席は敷物を各自で用意する
- 屋根のある席はない。雨天決行で、傘ではなく雨合羽
- 甲冑競馬は走路、神旗争奪戦は原っぱ全体で行われる。いい席が同じではない
- 2026年の販売は2月2日に窓口先行、2月9日に一般販売。そして前売りは売り切れた
- 2027年の日程も販売日もまだ公式に出ていない(2026年10月26日時点)
相馬野馬追の観覧は有料か
公式のよくあるご質問に、こう書かれています。
2日目の雲雀ヶ原祭場地の行事は観覧券が必要です
2日目の雲雀ヶ原で行われるのは、甲冑競馬(正午)と神旗争奪戦(午後1時)です。この2つを祭場地の中から見るには券が要ります。
券が要らないもの
公式のチケットページと質問ページを見るかぎり、観覧券の案内があるのは2日目の雲雀ヶ原だけです。つまり次のものには、券の案内がありません。
| 日 | 行事 | 場所 | 観覧券 |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 出陣式・お繰り出し | 相馬中村神社・相馬太田神社・相馬小高神社 | 案内なし |
| 1日目 | 宵乗り競馬(14:00) | 雲雀ヶ原祭場地 | 案内なし |
| 2日目 | お行列(9:30〜) | 野馬追通り | 沿道は案内なし/行列観覧席は有料 |
| 2日目 | 甲冑競馬・神旗争奪戦 | 雲雀ヶ原祭場地 | 必要 |
| 3日目 | 野馬懸(9:00〜) | 相馬小高神社 | 案内なし |
3日間のうち、お金がかかるのは2日目の午後だけという構造です。
席種と値段
2026年(令和8年度)の実績です。すべて税込。
| 区分 | 料金 | どこにあるか |
|---|---|---|
| 自由席(前売) | 800円/人 | 本陣山の草地 |
| 自由席(当日) | 1,000円/人 | 同上 |
| 行列観覧席 | 5,000円/人 | 祭場地の外側・沿道の椅子席 |
| 特別席 | 8,000円/人 | 本陣山のイス席(1人1席) |
| 砂かぶり席 | 10,000円/人 | 競馬走路のすぐそばのイス席 |
| マス席 | 15,000円/マス(5名分) | 本陣山斜面の2m×2m |
| マス席(特別) | 18,000円/マス(5名分) | 羊腸の坂脇のEブロック |
| 特別撮影エリア(第1コーナー) | 10,000円/人 | 第1コーナー付近 |
| 特別撮影エリア(第2・第3コーナー) | 8,000円/人 | 各コーナー付近 |
| 特別撮影エリア(羊腸の坂) | 8,000円/人 | 坂の上部または下部 |
マス席は1マスの値段です。15,000円のマス席に入場券が5枚ついてくるので、5人で割れば1人3,000円。人数がそろうなら特別席(8,000円)より安くなります。
自由席と指定席でいちばん違うのは「場所取り」
自由席は本陣山の草地です。公式が「各自で敷物などを用意する」と書いています。斜面の草の上に座ることになります。
指定席(マス席・特別席・砂かぶり席)は場所が決まっているので、早く行って場所を取る必要がありません。800円と8,000円の差は、見え方の差であると同時に、朝の時間の差でもあります。
席の位置関係
雲雀ヶ原祭場地は、平らな広場ではありません。本陣山という自然の山の斜面が観客席になっていて、その下に競馬の走路があります。
本陣山(斜面の草地)
自由席・マス席・特別席があるのがここです。斜面なので、上に行くほど全体が見渡せます。
公式が「斜面や階段の移動があるため、動きやすい服装と靴」を勧めています。砂利や土の坂を上り下りすることになります。
競馬走路沿い(砂かぶり席)
走路のすぐそばに置かれたイス席です。名前のとおり、馬が蹴り上げる砂が届く距離ということになります。
公式が甲冑競馬について書いているのは、「旗のはためく音、甲冑の擦れる音、馬の蹄が土を蹴る音」です。この音を聞く席だと考えると分かりやすいと思います。
羊腸の坂
羊腸の坂(ようちょうのさか)は、祭場地の中にある急な坂です。ここには2つの席があります。
- マス席(特別)18,000円|坂脇のEブロック。事務局窓口でしか売られていない
- 特別撮影エリア 8,000円|坂の上部か下部のどちらか一方だけ
公式が「急斜面で馬が接近する場所」と書いていて、脚立と自撮り棒の持ち込みが禁止されています。馬との距離が近い場所だということです。
沿道(行列観覧席)
5,000円の行列観覧席だけ、場所が違います。祭場地の外側、お行列が通る沿道の椅子席です。
ここで押さえておきたいのは、行列観覧席には入場券がついていて、行列が終わったあとは本陣山の自由席に入れるということです。つまり「お行列を座って見て、そのあと甲冑競馬と神旗争奪戦も見る」という1枚になります。
甲冑競馬と神旗争奪戦で、いい席が違う
ここが席選びでいちばん大事なところです。2日目の午後には性格の違う行事が2つあります。
甲冑競馬は「走路」を見る
正午から始まります。騎馬武者が走路を走る競技です。兜を脱いで白い鉢巻を締めた若武者が、先祖伝来の旗指物をなびかせて駆けます。
見るものが走路に限られるので、走路に近いほど迫力があります。砂かぶり席と特別撮影エリア(各コーナー)が向いているのはこちらです。
いっぽうで、走路に近いと馬が目の前を通り過ぎる時間は一瞬です。全体の流れを追うなら斜面の上のほうが見やすくなります。
神旗争奪戦は「面」を見る
午後1時から。公式の説明はこうです。
数百騎の騎馬武者が、空高く打ち上げられた二本の御神旗を奪い合う
待機していた騎馬武者が祭場地一面に広がり、空中で花火が炸裂して二本の御神旗がゆっくり降りてきます。そこへ数百騎が駆け出す、という流れです。
これは走路の上だけで起きることではありません。原っぱ全体が舞台になります。だから、面として見渡せる斜面の席のほうが向いています。
ただし例外があって、特別撮影エリアは神旗争奪戦のときだけ走路まで入って撮影できます。甲冑競馬のときは入れません。撮影目的ならここが効いてきます。
どの席が一番いいか
目的別に整理します。
| 目的 | 向いている席 | 理由 |
|---|---|---|
| 安く、とにかく見たい | 自由席(前売800円) | 敷物を持って早めに場所を取る |
| 全体を見渡したい | 特別席・マス席(本陣山) | 斜面の上から神旗争奪戦の広がりが見える |
| 馬の迫力を間近で | 砂かぶり席(10,000円) | 走路のすぐそば。音と砂が届く |
| 写真を撮りたい | 特別撮影エリア(8,000〜10,000円) | 神旗争奪戦では走路まで入れる |
| お行列も座って見たい | 行列観覧席(5,000円) | 終了後に本陣山の自由席へ入れる |
| 5人以上のグループ | マス席(15,000円) | 1人あたり3,000円。場所取り不要 |
1人で初めて行くなら、自由席か特別席のどちらかだと思います。800円で様子を見るか、8,000円で座る場所を確保するか、という選択です。
なお、どの席でも400騎のうち個々の武者の顔や旗印まで見分けるのは距離があります。旗印は武者ごとに違うので、そこを見たいなら 双眼鏡 があると変わります。
いつどこで買うか
2026年の販売スケジュールはこうでした。
- 2026年2月2日 9:00|事務局窓口の先行販売(枚数限定)
- 2026年2月9日 10:00|一般販売(チケット販売各社・団体受付)
開催は5月です。その3か月以上前から売り始めています。
2026年は前売りが売り切れた
公式のチケットページの冒頭に、「前売り観覧チケットは所定の枚数に達したため販売を終了した」と書かれています。
いつ売り切れたかまでは書かれていませんが、前売りが完売した事実は公式が出しています。2027年に同じ席を狙うなら、2月の販売開始に合わせて動くことになります。
販売場所は5つ
| 販売場所 | 扱う席 | 備考 |
|---|---|---|
| 事務局窓口(南相馬市役所北庁舎1階) | マス席(特別)を含むほぼ全種 | 現金払いのみ。特別撮影エリアは扱わない |
| 各市町村役場窓口 | 自由席(前売)のみ | - |
| チケットぴあ | マス席・行列観覧席・砂かぶり席・特別席・特別撮影エリアなど | Pコード659-456 |
| JTBコンビニチケット | 自由席(前売)のみ | 商品番号0267519 |
| コンビニ | 上記2社の取り扱いに準じる | - |
注意したいのは、特別撮影エリアは事務局窓口では買えないことと、マス席(特別)は事務局窓口でしか買えないことです。欲しい席によって行き先が変わります。
団体向けの指定観覧席と有料バス駐車場は、別にPeatixからの申し込みになっていて、2026年は3月19日が締切でした。
そしてチケットの転売は禁止されています。売り切れたあとに二次流通で探すのは、公式が認めていない買い方です。
当日券はあるか
あります。ただし自由席(1,000円)だけです。
2日目に入場口4か所で売られます。公式が「前売の状況により枚数制限あり」「売り切れる場合がある」と書いているので、前売りが完売した年は当日券も厳しくなると考えたほうがいいと思います。
前売り800円と当日1,000円の差は200円ですが、本当の差は「買えるかどうか」のほうにあります。
席のまわりで知っておくこと
屋根のある席はない
公式が明記しています。「屋根のある席はありません」。
5月末の正午から午後2時ごろまで、斜面の草地にいることになります。帽子と水は前提になります。
雨でも行われる
公式は「雨天決行」としたうえで、災害や気象警報の発令時には中止となる場合があるとしています。
そして傘ではなく雨合羽を使うよう求めています。馬が近くを走る場所で傘を広げるのは避ける、ということです。屋根がない以上、雨具は持っていく前提になります。
設備は多くない
- 仮設トイレはある
- 手洗い場はない
- 授乳所はない
- ペットの同伴は不可(盲導犬・聴導犬を除く)
- 再入場にはチケットの提示が必要
手洗い場がないので、おしぼりやウェットティッシュを持っていくほうが無難です。
無料で見られる場所はあるか
2日目の雲雀ヶ原の中は券が必要ですが、それ以外には券の案内がありません。無料で見られるものを整理します。
| 見られるもの | いつ | どこ |
|---|---|---|
| 出陣式(総大将を擁する相馬中村神社がとくに厳か) | 1日目の午前 | 相馬中村神社 |
| お繰り出し(軍者の振旗と法螺貝の合図で出陣) | 1日目 | 相馬三社 |
| お行列(約400騎が約3kmを進む) | 2日目 9:30〜 | 野馬追通りの沿道 |
| 野馬懸(御小人が荒駒を素手で捕らえる) | 3日目 9:00〜11:30 | 相馬小高神社 |
とくに3日目の野馬懸は、公式が「昔の名残をとどめる唯一の神事」と書いている行事です。国の重要無形民俗文化財に指定される大きな要因になった、とも書かれています。それが無料で見られます。
「お金をかけずに相馬野馬追を見たい」なら、2日目のお行列を沿道で見て、3日目の野馬懸を見る組み方があります。日程の全体は 相馬野馬追2027の日程 に整理しました。
2027年のチケットはまだ出ていない
2026年10月26日時点で、公式サイトに2027年(令和9年度)の情報はほとんどありません。
| 項目 | 2027年の状況 |
|---|---|
| 開催日程 | 未発表 |
| チケットの席種・料金 | 未発表 |
| 販売開始日 | 未発表 |
| ポスター | 2026年9月7日に「完成しました」と告知。販売は決定次第 |
日程は公式の規則(5月の最終土・日・月曜日)から計算すると2027年5月29日・30日・31日になりますが、公式の発表ではありません。
2026年のペースでいくと、販売は2月上旬です。年明けに公式サイトを一度見るのが現実的だと思います。
宿とセットで考える
チケットが取れても、泊まる場所がないと動けません。
2日目の甲冑競馬は正午、神旗争奪戦は午後1時です。この2つだけなら日帰りも成り立ちますが、お行列(9時30分出発)から見るなら前泊が要ります。首都圏からの臨時特急でも、原ノ町駅に着くのは9時28分だからです。
よくある質問
どの席が一番見やすいですか
何を見たいかで変わります。甲冑競馬の迫力なら走路沿いの砂かぶり席、神旗争奪戦の広がりなら本陣山の斜面です。公式は各エリアから何が見えるかを書いていないので、ここは行事の性格から判断することになります。
子どもの分も買う必要がありますか
中学生以下は自由席が無料です。ただし指定席で見たい場合は、その席のチケットが必要になります。
車いすで観覧できますか
できます。車イスで直接乗り入れられるエリアが無料で用意されていて、本人と介助者1名が利用できます。イスは用意されていないので各自で準備と公式が書いています。
チケットが売り切れたらどうすればいいですか
当日券(自由席1,000円)が2日目に入場口4か所で売られます。ただし枚数制限があり、売り切れる場合があると公式が断っています。
転売は公式が禁止しています。買えなかった場合は、無料で見られるお行列(沿道)や3日目の野馬懸に切り替えるという考え方になります。
飲食物は持ち込めますか
会場内での飲食は可能で、露店も出ます。ただし公式が「大変混雑します」と書いているので、飲み物は持っていくほうが安全です。
写真撮影に制限はありますか
立入禁止エリアを除けば撮影できます。ドローンと自撮り棒は禁止です。羊腸の坂の撮影エリアでは脚立も持ち込めません。フラッシュを使わない、馬を驚かせないというマナーも公式が挙げています。
まとめ|チケットの要点
- 観覧券が必要なのは2日目の雲雀ヶ原だけ。1日目・3日目は公式に観覧券の案内がない
- 自由席は前売800円・当日1,000円。中学生以下と障害者手帳をお持ちの方(介助者1名含む)は無料
- 観覧エリアは本陣山の斜面の草地。自由席は敷物を各自で用意する
- 甲冑競馬は走路、神旗争奪戦は原っぱ全体。見たいほうで席が変わる
- 特別撮影エリアは神旗争奪戦のときだけ走路に入れる(甲冑競馬では入れない)
- 行列観覧席(5,000円)は入場券つきで、行列後に本陣山の自由席へ入れる
- マス席15,000円は5名分。5人なら1人3,000円で場所取りも要らない
- 屋根のある席はない。雨天決行で、傘ではなく雨合羽
- 手洗い場と授乳所はない
- 2026年は2月2日窓口先行・2月9日一般販売で、前売りは完売した
- 2027年の日程も販売日も未発表(2026年10月26日時点)
この記事の情報は2026年10月26日時点のもので、2027年(令和9年度)の日程とチケット販売が公式に発表される前に書いたものです。席種・料金・販売スケジュールは2026年(令和8年度)のもので、相馬野馬追公式サイトの「観覧チケットの購入」「よくあるご質問」「スケジュール」「見どころ(甲冑競馬・神旗争奪戦・野馬懸・お行列・お繰り出し)」を確認しました。各席から何が見えるかは公式に記載がないため、この記事では行事の内容と席の位置から整理しています。2027年5月29日〜31日という日付は、公式の「5月の最終土・日・月曜日」という規則からの計算で、公式の発表ではありません。
