郡上おどりは全10曲あります。ただ、全部覚えてから行く必要はありません。
観光協会は「踊りに必要な衣装はなく、誰でも気軽に参加できる」としています。輪に入るのに申し込みも審査もない。この記事は、まず覚える1曲と、10曲それぞれの性格、現地の講習について整理します。
3分で説明すると
- 郡上おどりは全10曲。順番に曲が変わり、曲ごとに振りが違う
- ★まず「かわさき」1曲で十分。最も踊られる代表曲
- 形は輪踊り。踊屋台を中心に輪になって回る。どこからでも入れる
- ★現地におどり教室がある。土日とお盆の14:30/15:30/16:30の3回・各65人
- 教えるのは郡上おどり保存会の講師。「おどり修了証」がもらえる
- 服装は浴衣でも普段着でも可
- 上手くなると保存会の免許状が取れる。毎晩10時ごろ、課題曲が屋形に表示される
郡上おどりは誰でも飛び込んで踊れる
この祭の性格を先に書いておきます。郡上おどりは「見るおどり」ではなく「踊るおどり」と呼ばれています。
由来もそこにあります。江戸時代に城主が士農工商の融和を図るために村々の盆踊りを城下へ集め、盆の4日間は身分に関係なく踊るよう奨励したとされています。最初から「誰とでも踊る」ために作られた祭です。
いまも決まりはありません。観光協会は「踊りに必要な衣装はなく、誰でも気軽に参加できる」と書いていて、男性の踊り手も多く、男女とも同じおどりとしています。
形は輪踊りです。音頭取りと囃子方が踊屋台に上がり、その周囲を踊り手が輪になって踊ります。ステージと客席に分かれていないので、どこからでも輪に加われます。
全10曲の一覧
10曲はこれです。
| 曲 | 性格 |
|---|---|
| かわさき | 代表曲。最も踊られる。大正時代に古調かわさきから改変された |
| 春駒(はるこま) | テンポが速い。1936年に「さば」として追加され、1949年に改称 |
| 三百(さんびゃく) | — |
| ヤッチク | — |
| 古調かわさき | かわさきの原型。徹夜おどりはこの曲(鳴り物なし)で始まる |
| げんげんばらばら | 1936年に追加 |
| 猫の子 | — |
| さわぎ | — |
| 甚句(じんく) | — |
| まつさか | 締めの曲。歌詞は郡上名所案内。徹夜おどりは明け方にこの曲で終わる |
各曲の振り付けの手順を文章で説明した公式の資料は見つかりませんでした。観光協会にも、おどり教室のページにも、手順の記載はありません。現地の講習か、保存会の動画を見るか、輪に入って真似るかという前提になっています。
この記事で書けるのは、どの曲から入るかとどう覚えるかです。
まず覚える1曲は「かわさき」
「かわさき」です。理由は3つあります。
最も踊られる代表曲だから
郡上おどりの代表曲で、どの夜でもかかります。1曲だけ覚えるならこれです。
原型ではなく「あとから整えられた曲」だから
郡上市の資料によると、「かわさき」は1922年(大正11年)頃以降、大正時代に古調かわさきをもとに改変して振り付けられたものです。もとの古調かわさきとは別に、あとから作られたということになります。
文化財の指定からも位置が読めます。1955年(昭和30年)の八幡町指定文化財は「かわさき」を除く9曲でした。古い9曲とは別枠で扱われていたということです(1996年の国指定では10曲すべてが入っています)。
つまり「かわさき」は比較的新しく、広く踊られるために整えられた曲です。最初の1曲として理にかなっています。
2曲目は「春駒」
次に覚えるなら「春駒」です。テンポが速く、動きがはっきりしているので、覚えると輪の中で目立ちます。
春駒も新しい曲
この曲も歴史が新しいほうです。1936年(昭和11年)に「さば」という名前で追加され、1949年(昭和24年)に「春駒」と改称されました。10曲のうち、名前が変わった唯一の曲です。
「かわさき」と「春駒」を覚えておけば、夜のかなりの時間を踊れます。
10曲それぞれの覚え方
手順を書いた資料がないので、現実的な覚え方を書きます。
輪の中で前の人を見る
輪踊りなので、前の人の背中がずっと見えています。これが最も早い覚え方です。曲が変わると振りも変わりますが、周りが一斉に変わるので分かります。
手より足を先に合わせる
下駄の音が踊りの一部なので、足が合えば輪に馴染みます。手は後からついてきます。観光協会も下駄について「踊りの調子を高める特徴がある」としています。
覚えられない曲は休む
10曲を一晩で覚える必要はありません。知らない曲は輪から出て見る、知っている曲で戻る、という使い方ができます。出入りが自由なのがこの祭の形です。
現地の講習会に出る
いちばん確実なのはこれです。郡上八幡旧庁舎記念館がおどり教室をやっています。
- 夏季限定定期講習|郡上おどりの開催日の土曜・日曜・お盆
- 時間|14:30/15:30/16:30の3回
- 定員|1回65人
- 講師|郡上おどり保存会
- 曲目|日によって変わる(日替わりで10曲すべてを扱う)
- 服装|浴衣でも普段着でも可
- 参加者には「おどり修了証」
夜の20時より前の時間帯なので、その日のうちに習って踊れます。定期講習以外(体験教室・貸切)は完全予約制で7日前まで、団体貸切は1週間前までです。
料金はページに金額の記載がありません。問い合わせは0575-67-1819です。
輪のどこに入るか
決まりはありませんが、考え方があります。
上手な人の後ろに入る
輪踊りなので前の人を見て覚えます。保存会の人や、毎年来ている人の後ろが見本になります。
屋台から少し離れた外側に入る
踊屋台のすぐ近くは人が密集します。外側のほうが動きやすく、抜けるのも楽です。
徹夜おどりなら時間帯も効きます。20時台は人が最も多く、輪に入るのも一苦労です。深夜に人が減ってからのほうが踊れます。
→ 郡上踊りの徹夜踊り2027|何時に行き何時に帰るか・駐車場
下駄の鳴らし方
郡上おどりでは下駄の音が踊りの一部です。観光協会は下駄を「踊りの調子を高める特徴がある」として用意を勧めています。
何十人が同じタイミングで鳴らすので、足が合うほど音が揃います。逆に言えば、音を聞いていれば自分が合っているかが分かります。
地元の下駄屋では好みの鼻緒を選んで、その場で自分用の下駄を作ってもらえます。ただし履き慣れない下駄で長時間は無理があるので、徹夜おどりなら事前に慣らしておくところです。
保存会の免許状を取る
上達すると、郡上おどり保存会が免許状を出します。
仕組みはこうです。毎晩10時ごろ、その日の課題曲が屋形に表示されます。 保存会員が輪の中を見て審査し、合格者には木の札が渡されます。これを保存会事務所に持っていくと、墨字の免許状と交換してもらえます。
10数年前までは有料で公布されていましたが、いまは審査による公布のみです。観光客を対象に交付されるようになったのは1960年頃(昭和35年頃)からだと郡上市の資料にあります。
つまりその場で踊っているだけで審査対象になります。申し込みは要りません。22時の課題曲は、そういう時間帯だということです。
よくある質問
Q. 郡上おどりにはどんな種類がありますか
全10曲です。かわさき、春駒、三百、ヤッチク、古調かわさき、げんげんばらばら、猫の子、さわぎ、甚句、まつさか。
Q. かわさきはどうやって踊ればいいですか
振り付けの手順を文章で説明した資料は見つかりませんでした。現地のおどり教室(土日とお盆の14:30/15:30/16:30)に出るか、輪の中で前の人を見て覚えるのが前提になっています。
Q. 何曲覚えれば踊れますか
1曲で踊れます。まずは代表曲の「かわさき」です。知らない曲は輪から出て見て、知っている曲で戻るという使い方ができます。
Q. 初めてでも輪に入れますか
入れます。観光協会は「踊りに必要な衣装はなく、誰でも気軽に参加できる」としています。申し込みも不要です。
Q. 講習会は予約が要りますか
夏季限定の定期講習は土日とお盆に1日3回、各65人です。それ以外の体験教室や貸切は完全予約制で7日前までです。
Q. 手ぬぐいの使い方はありますか
手ぬぐいの使い方についての記載は見つかりませんでした。おどり教室でも触れられていません。
Q. いつ行くべきですか
踊るのが目的なら通常の夜です。徹夜おどり(8月13〜16日)は人が多く、20時台は輪に入るのも大変です。
振り付けの手順を文章で説明した資料はありません。現地の講習に出られない場合、動きを目で見て覚えるのが現実的です。本番の映像なら、輪の形・足の運び・下駄の鳴らし方がまとめて分かります。
まとめ|踊り方の要点
- 全10曲。ただしまず「かわさき」1曲で輪に入れる。2曲目は「春駒」
- ★振り付けの手順を書いた公式資料はない。現地の講習か、輪で前の人を見るか
- 形は輪踊り。踊屋台が中心。出入り自由
- ★おどり教室|土日とお盆の14:30/15:30/16:30・各65人。保存会の講師。修了証つき
- 手より足を先に。下駄の音が合えば輪に馴染む
- 入る場所は上手な人の後ろ・屋台から少し離れた外側
- ★毎晩10時ごろ、課題曲が屋形に表示されて保存会が審査。合格すると免許状
- 服装は浴衣でも普段着でも可
1曲でも覚えていくと、輪に入ったときの体験が変わります。現地の講習は土日とお盆の3回・各65人なので、先に映像で見ておくと講習の時間を振りの確認に使えます。
→ 郡上おどり2027の日程|30夜のどの日に行くか・会場の移り方
→ 郡上八幡観光モデルコース|半日で回る城下町と白川郷への足
この記事の情報は2026年10月20日時点で、郡上八幡観光協会の「郡上おどり」「令和8年度(2026)郡上おどり日程」、郡上おどり教室(郡上八幡旧庁舎記念館)、郡上市「歴史的風致維持向上計画」第2章(郡上踊にみる歴史的風致)を確認したものです。講習の日程と内容は開催年によって変わります。お出かけ前に主催者へご確認ください。
