金沢百万石ビールを調べると、出てくるのは製造元と販売店のページばかりです。味・値段・どこで買えるかを横から並べて答えたものが、ほとんどありません。
そこで、公式に書かれていることだけを集めました。★そして、書かれていないことも、書かれていないとそのまま書いています。
3分で説明すると
- ★つくっているのは石川県川北町の農業法人「有限会社わくわく手づくりファーム川北」
- ★定番は4種類。ペールエール/コシヒカリエール/ダークエール/IPA
- ★ペールエールが一番人気。コシヒカリエールは北陸エリア限定
- ★原料は地元産の六条大麦。自社で麦芽までつくっている
- ★六条大麦を使うのは、米の転作先として農地を守るためだった
- ★定番4種の単品の値段は、確認したどのページにも記載がない
- ★公式の「買える店」一覧は石川県内だけ。しかも2019年7月16日時点の情報
- ★その一覧に載っているコンビニは「JR金沢駅 セブンイレブン」の1店だけ。スーパーは載っていない
- ★川北町に直営のタップルームはない
- 賞味期限は製造から常温180日。ギフト箱入りのセットがある
- ★川北町のふるさと納税の返礼品にもなっている
金沢百万石ビールとは
石川県川北町の地ビールです。川北町は、町の特産品として「地元産の六条大麦と水にこだわって開発した地ビール」と紹介しています。
「金沢」と名前に付いていますが、★つくっているのは金沢市ではなく、金沢から南へ下った能美郡川北町です。手取川の扇状地にある、田んぼの町です。
つくっているのは川北町の農業法人
事業者は農業法人有限会社 わくわく手づくりファーム川北。本社は石川県能美郡川北町字橘新イ54番地1、醸造所のわくわくブルワリーは同町字橘新ロ49-1にあります。
★本業は農業で、ビールの醸造はそこから生まれた仕事です。ビール会社が農業を始めたのではなく、農家がビールをつくり始めた、という順番です。
六条大麦を使う理由は農地を守るためだった
ビールの原料は、ふつうは二条大麦です。このビールが六条大麦を使っているのには理由があります。
醸造元への取材記事によると、始まりは先祖代々の農地を守るため、米の転作先として新しい地場産業を興そうとしたことでした。川北町で作付けされていた麦は、主に麦茶の原料になる六条大麦でした。だから六条大麦だったのです。
市販の麦芽は入手や製造に費用がかかるため、★代表者が廃品の乾燥機を改造して麦芽製造機をつくり、六条大麦用の精麦機まで自作したと書かれています。六条大麦は自社の畑だけでは足りず、県内の他の農家からも仕入れています。
つまり「六条大麦でつくった」という一点が、このビールの正体です。味の個性も、そこから出ています。
定番は4種類
ふるさと納税の返礼品セットの内容から、定番の4種類が分かります。
| 種類 | 分かっていること |
|---|---|
| ペールエール | ★一番人気とされている |
| コシヒカリエール | ★北陸エリア限定 |
| ダークエール | 国産麦芽を使用 |
| IPA | 定番4種の1つ |
★4種それぞれの味の説明は、川北町のページにもふるさと納税のページにも書かれていません。公式サイトの商品紹介も、商品名と写真が中心です。
ペールエール
★公式が「一番人気」としているのがこれです。1種類だけ選ぶなら、迷う理由がありません。はじめて買う人向けの1本です。
コシヒカリエール
★北陸エリア限定です。名前のとおり米を使った1本で、4種のうち現地やお取り寄せでなければ手に入りにくいのはこれになります。土産として持ち帰る価値がいちばん高いのも、この1本です。
ダークエール
国産麦芽を使用と紹介されています。色の濃いタイプです。味の説明は公式にありません。
IPA
定番4種の1つとして、ふるさと納税のセットにも入っています。★ホップの種類や苦味の強さについての記載はありません。
どんな味か
これが検索でいちばん聞かれていることですが、★公式には味の説明がほとんどありません。
ふるさと納税のページにある説明は「自家製大麦を利用した麦芽で作ったビールはそれぞれの特徴が上品に際立ち」という一文だけです。
手がかりになるのは、醸造元への取材記事にある記述です。六条大麦を使ったビールは、一口目はラガーのようなおだやかさがあり、尖った味やクセがないとされ、食事と合わせて楽しむビールという評価が書かれています。醸造スタッフは原料の特徴だけで個性が出せると話しています。
整理すると、こうなります。
- ★クラフトビール特有の強い香りや苦味を期待する種類ではない
- ★食事に合わせる方向のビール
- ★4種ごとの味の違いを説明した公式の記載はない
土産に選ぶときは、「石川の農家が自分の麦でつくった」という中身を渡すものと考えるのが、実際に近いと思います。
定番4種のほかにも種類がある
公式サイトを見ると、定番4種のほかに季節や素材で変わる商品が並んでいます。土産を選ぶときの選択肢はもっと広い、ということです。
季節や素材で変わる限定品
公式サイトに名前が出ているものには、白山酒米百万石ビール(石川県産麦芽と酒米を使ったプレミアムビール)、小松小麦百万石ビール(フルーティーでシルキーな飲み口)、蜜柑の発泡酒、柚子のビール、輪島朝市ビール、金沢駅ビールなどがあります。
★ヴァイツェン(小麦のビール)は「駅ナカ限定」とされています。自家製ホップを使った限定品もあります。
★どの商品が今あるかは時期によって変わります。一覧の表として整理されたページは、公式サイトにありません。
低アルコールの兼六さくらエール
兼六さくらエールは3.5%の低アルコールで飲みやすい、と公式サイトに説明があります。★定番4種のアルコール度数は、確認したページに記載がありません。
値段はいくらか
★定番4種の単品の値段は、川北町のページ、ふるさと納税のページ、公式サイトのいずれにも記載がありません。
公式サイトにはギフトセットなどの価格が出ている商品もありますが、定番4種の単品価格を一覧にしたページはありません。
理由は推測できます。販売店ごとに値段が違うからです。駅の土産店、酒販店、道の駅、通販で、同じ缶の値段が揃うわけではありません。
★値段を知りたいときは、買う場所の価格を見るのがいちばん早いということになります。通販の各サイトは、その場で今の値段が表示されます。
どこで買えるか
公式サイトには「買える店」の一覧ページがあります。ただし、使うときに知っておくべきことが2つあります。
- ★掲載されているのは石川県内の店だけ。県外の店は載っていない
- ★ページに「(2019.7.16時点)」と書かれている。7年前の情報
つまり一覧はあるが、そのまま信じて行くには古いという状態です。以下は一覧に載っている店ですが、行く前に店へ確認するのが確実です。
金沢市内と金沢駅
金沢市として載っているのはJR金沢駅 おみやげ処、JR金沢駅 セブンイレブン、近江町市場 酒の大沢、和菓子村上(本店・長町・十間町)、久保です。
★金沢駅で買えるなら、旅の最後に買えます。土産として持ち帰る前提なら、ここがいちばん現実的な場所です。公式サイトの投稿では、大和百貨店の地下1階や兼六園内での取り扱いにも触れられています。
醸造元への取材記事では、JR金沢駅や富山駅など北陸新幹線沿線の駅ナカで販売されていると書かれています。東京駅の駅弁屋、大阪や京都の駅ホーム、兵庫や岡山の駅ナカでも見られる、とあります。
石川県内のその他の店
一覧には小松空港、道の駅めぐみ白山、道の駅木場潟、道の駅のとじま、CCZ 徳光PA マルキュー、ゆのくにの森、一里野高原ホテル ろあん、加賀市の酒販店(liquor shop カワバタ、酒かどや商店、辻酒販、お酒倶楽部 くぼで)、小松市のみなみ酒販・花山亭、尾口村の道の駅「瀬名」が載っています。
★小松空港と道の駅が複数入っているのが実用的です。車で石川を回るなら、途中で寄れます。
川北町のわくわく産直物産館
つくっている町で買うなら、わくわく産直物産館です。住所は石川県能美郡川北町字壱ツ屋183番地3、電話は076-277-8989。★営業時間と定休日は公式サイトに記載がありません。行く前に電話で確かめるのが確実です。
通販で買う
公式のオンラインショップがあります。そのほか、Amazonや楽天市場でも350ml缶のセットや24本入りのケースが扱われています。★石川まで行かずに手に入るのは通販だけです。
コンビニやスーパーで買えるか
これも検索でよく聞かれています。答えははっきりしています。
★公式の「買える店」一覧に載っているコンビニは「JR金沢駅 セブンイレブン」の1店だけです。スーパーは1店も載っていません。
つまり全国のコンビニやスーパーで探しても、まず見つかりません。金沢駅の改札前のセブンイレブンという、きわめて限られた場所の話です。
醸造元への取材記事には、地元向けにはコンビニへの配荷を目指しているとありました。2022年3月の記事です。★その後どこまで広がったかについては、公式に記載がありません。
旅先で確実に買うなら金沢駅の土産店、旅に出ずに買うなら通販。この2択です。
醸造所で飲めるか
★川北町に直営店やタップルームはありません。醸造元への取材記事に、そう書かれています。
以前は産直物産館に醸造所があり、できたてのビールを飲めましたが、醸造所の拡大のため移転したとあります。醸造所は食品安全管理規格「JFS-B規格認証」を取得していて、輸出も視野に入れているそうです。
公式サイトには「飲める店」の一覧ページもあります。醸造所で飲むのではなく、石川県内の飲食店で飲む形になります。
ふるさと納税の返礼品にもなっている
川北町のふるさと納税の返礼品にもなっています。川北町限定のコラボ返礼品があり、中身はこうです。
- 金沢百万石ビール 350ml缶を計8本(ペールエール2本・コシヒカリエール2本・ダークエール2本・IPA2本)
- ギフト箱入り
- 8番餃子30粒 450g×2箱(10人前・冷凍)
★4種を2本ずつ飲み比べられる構成です。事業者は有限会社わくわく手づくりファーム川北と株式会社ハチバン。発送は決済から2週間程度で、★離島には配送できません。
賞味期限はビールが製造から常温180日、餃子が製造から冷凍60日です。
返礼品の選び方は ふるさと納税のおすすめ返礼品 にまとめています。
「百万石」という名前について
金沢には金沢百万石まつりという、6月上旬に行われる大きなまつりがあります。前田利家公役が行列の主役を務めるまつりです。
ビールの名前も「金沢百万石」。同じ言葉を使っています。
ただし★ビールの名前の由来について、公式の説明は確認したページにありません。「百万石」は加賀藩・前田家を指す言い方として石川で広く使われていて、まつりの名前にも、ビールの名前にも、菓子や店の名前にも付きます。まつりの公式商品ではありません。
とはいえ、6月のまつりに行ったときの土産としては、名前が揃っていて分かりやすいという利点があります。
金沢の他の地酒・クラフトビールと比べると
金沢の土産には日本酒もクラフトビールも並んでいます。そのなかで、このビールの位置づけがどこかというと、★「原料の麦から自分でつくっている農家のビール」という点が他と違います。
麦芽を自社で製造し、精麦機まで自作し、足りない分は県内の他の農家から六条大麦を仕入れる。醸造元への取材記事にある通り、原料のつくり手と醸造者が同じという作り方です。ビール会社が原料を買ってくる形とは逆です。
もうひとつは種類の多さです。定番4種のほかに、酒米・小麦・蜜柑・柚子・輪島朝市ビールなど、地域の素材で分かれた商品が並んでいます。★土産として「石川のどこか」を選べるのが強みです。
一方で、★他の銘柄と味を比べた公式の説明はありません。日本酒と並べて迷うなら、日持ちと分けやすさで考えるのが現実的です。ビールは常温180日で、缶を1本ずつ配れます。
お取り寄せするなら
石川まで行かずに飲むなら通販です。★はじめてなら、4種のうち何本か入ったセットを選ぶのが失敗しにくいです。1種類だけ買って好みと合わなかった、ということが起きません。
350ml缶の3本セットは、飲み比べの入り口としてちょうどいい量です。
贈り物にするときに見ておくこと
ギフトに使うなら、見るべき点は3つです。
- ★賞味期限は製造から常温180日。冷蔵保存の前提ではないので、渡すまでに日があっても困りません
- ★ギフト箱入りのセットがある。ふるさと納税の8本セットも箱入りです
- ★コシヒカリエールは北陸エリア限定。北陸以外の人に贈るなら、この1本が入っているかを見ます
★贈る相手が北陸の人なら、コシヒカリエールは珍しくありません。その場合は、季節限定のものや白山酒米百万石ビールのような1本のほうが喜ばれます。
よくある質問
どんな味ですか
★公式に味の説明はほとんどありません。ふるさと納税のページには「自家製大麦を利用した麦芽で作ったビールはそれぞれの特徴が上品に際立ち」とあるだけです。醸造元への取材記事では、六条大麦を使ったビールは一口目にラガーのようなおだやかさがあり、尖った味やクセがない、食事と合わせて楽しむビールと書かれています。★4種ごとの味の違いを説明した公式の記載はありません。
値段はいくらですか
★定番4種の単品の値段は、川北町のページ、ふるさと納税のページ、公式サイトのいずれにも記載がありません。販売店ごとに値段が違うためと考えられます。通販では、その時点の価格がそのまま表示されます。
どこで買えますか
石川県内ではJR金沢駅のおみやげ処、近江町市場 酒の大沢、小松空港、道の駅めぐみ白山・木場潟・のとじま、加賀市や小松市の酒販店など。つくっている町ではわくわく産直物産館です。★ただし公式の一覧は「2019.7.16時点」と書かれた7年前の情報で、県外の店は載っていません。石川まで行かないなら通販です。
コンビニで買えますか
★公式の一覧に載っているコンビニは「JR金沢駅 セブンイレブン」の1店だけです。スーパーは1店も載っていません。全国のコンビニで扱われている商品ではありません。2022年3月の取材記事には、地元向けにコンビニへの配荷を目指しているとありましたが、★その後の状況について公式に記載はありません。
金沢百万石まつりの公式商品ですか
★違います。つくっているのは川北町の農業法人で、まつりの主催者とは別です。名前が同じなのは「百万石」が加賀・石川を指す言い方として広く使われているためで、★名前の由来についての公式の説明は、確認したページにありません。
まとめ|金沢百万石ビールの要点
- ★石川県川北町の農業法人「有限会社わくわく手づくりファーム川北」がつくる地ビール
- ★金沢市ではなく、能美郡川北町でつくられている
- ★原料は地元産の六条大麦。麦芽製造機も精麦機も自作から始まった
- ★始まりは米の転作先として農地を守ること
- ★定番は4種。ペールエール/コシヒカリエール/ダークエール/IPA
- ★ペールエールが一番人気。コシヒカリエールは北陸エリア限定
- ★味の説明は公式にほとんどない。取材記事では「ラガーのようなおだやかさ」「食事と合わせるビール」
- ★定番4種の単品の値段は、どのページにも記載がない
- ★公式の「買える店」一覧は石川県内だけ、しかも2019年7月16日時点
- ★一覧に載っているコンビニはJR金沢駅のセブンイレブン1店だけ。スーパーはゼロ
- ★川北町に直営のタップルームはない(産直物産館から醸造所は移転済み)
- ★川北町のふるさと納税の返礼品にもなっている(4種各2本のギフト箱入り)
- 賞味期限は製造から常温180日
- ★まつりの公式商品ではなく、名前の由来の公式説明もない
- ★石川まで行かないなら通販の一択
はじめて飲むなら、1種類だけ買うより4種のうち何本か入ったセットのほうが外しません。350ml缶の3本セットが入り口にちょうどいい量です。
この記事の情報は2026年10月26日時点のものです。川北町公式の「川北町の特産品」、わくわく手づくりファーム川北の公式サイト(会社案内・商品紹介・「買える店」「飲める店」)、ふるさとチョイスの「【川北町限定コラボ】金沢百万石ビール缶8本セット&8番ラーメン餃子セット10人前」、BE-PALの記事「これぞ地ビール! 農地を守る六条大麦でビールを醸造『金沢百万石ビール』」(2022年3月9日公開)を確認しました。定番4種それぞれの味の説明、単品の値段、アルコール度数、わくわく産直物産館の営業時間と定休日、名前の由来、コンビニへの配荷の現状については、確認したページのいずれにも記載がありませんでした。公式サイトの「買える店」一覧には「(2019.7.16時点)」と記載があります。
