相馬野馬追を見ていると、「自分も出られないか」と考える人がいます。約400騎の騎馬武者が進む行列は、見ているだけでは済まない迫力があります。
結論から書くと、騎馬武者として出るのは簡単ではありません。ただし、公式が一般に募集している参加の枠はあります。
3分で説明すると
- 騎馬武者は原則として相馬地方の騎馬会(5つの郷)から出る
- 騎馬武者になる条件と費用は、公式サイトに書かれていない
- ★公式は「相馬太田神社のお供」としての参加者を一般募集している
- 2026年は2月18日に募集開始、3月27日に「予定数に達した」として終了
- 申し込みはGoogleフォーム。条件は募集要項のPDFに記載
- 女性の参加条件は2025年に撤廃された。それ以前は「未婚の20歳未満」だった
- 馬は8割以上が元競走馬(2023年の大会で出陣した361頭のうち)
- 甲冑も旗指物も「先祖伝来」のものを使う
- 問い合わせ先は一般社団法人相馬野馬追 0244-22-3064
出場できるのは誰か
まず、騎馬武者の側から見ていきます。
騎馬は5つの郷から出る
相馬野馬追の騎馬隊は、宇多郷・北郷・中ノ郷・小高郷・標葉郷という5つの「郷」に分かれています。郷は藩政時代の行政区に基づく地域の区割りで、それぞれが相馬三社のどれかに集まって出陣します。
| 神社 | 集まる郷 |
|---|---|
| 相馬太田神社 | 中ノ郷 |
| 相馬小高神社 | 小高郷・標葉郷 |
| 相馬中村神社 | 北郷・宇多郷 |
つまり「どこかの郷に属している」ことが前提の構造になっています。思い立って個人で申し込む、という形の行事ではありません。
条件と費用は公式に書かれていない
ここははっきりさせておきます。公式サイトには、騎馬武者として出場するための条件も、かかる費用も書かれていません。
よくあるご質問にも、参加方法の項目はありません。公式が出しているのは、見に行く人向けの情報です。
この記事でも、金額を推測して書くことはしません。知りたい場合は、一般社団法人相馬野馬追(0244-22-3064)に直接聞くのが確実です。
地元でなくても参加できる道がある
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
公式が「お供」を一般募集している
2026年2月18日、公式サイトにこういうお知らせが出ました。
一般社団法人相馬野馬追では、令和8年度相馬野馬追で相馬太田神社のお供として、相馬野馬追に参加していただける方を募集しております。
「お供」は、行列に加わる役です。申し込みはGoogleフォームから。募集要項はPDFで公開されていました。
騎馬会に属していなくても、相馬野馬追の行列の中に入る方法が、公式の窓口として用意されているということです。
2026年は約1か月で定員に達した
続きがあります。2026年3月27日に、こういうお知らせが出ました。
応募人数が予定数に達しましたので、募集は終了させていただきます。
2月18日に募集が始まって、3月27日に終了。約1か月半で埋まっています。
観覧チケットの一般販売が2月9日で、こちらは前売りが完売。お供の募集が2月18日で、3月末に定員到達。相馬野馬追にまつわるものは、2月から3月にかけて一気に動くと考えたほうがよさそうです。
条件は募集要項のPDFにある
年齢・性別・居住地・経験の有無といった応募条件は、お知らせのページ本文には書かれていません。募集要項のPDFに記載されています。
2027年(令和9年度)の募集が同じ形で行われるかどうかも、現時点では分かりません。2026年10月26日の時点で、公式サイトに2027年の日程自体がまだ出ていないからです。
関心があるなら、年明けから公式サイトのお知らせを見ておくことになります。
騎馬武者として出るには何が要るか
公式に条件の記載はありませんが、祭の構造から必要なものは見えます。
馬
2023年の大会で出陣した馬は361頭。その8割以上が元競走馬だったと報じられています。
競走馬を引退した馬が、相馬地方で飼われて野馬追に出ている。つまり馬を用意できる体制が地元にあるということでもあります。
甲冑と旗指物
公式の表現は一貫しています。お行列は「先祖伝来の甲冑」、甲冑競馬は「先祖伝来の旗指物」。
祭のために作った衣装ではなく、家ごとに伝わってきたものを着て出るという書き方です。旗指物は家ごとに違うので、400騎それぞれに違う旗が並びます。
ここが、外から来た人にとっていちばん高い壁になります。
騎乗の技術
甲冑競馬では、兜を脱いで白い鉢巻を締めた若武者が、大坪流の手綱さばきで馬を操ると公式が書いています。
神旗争奪戦は、数百騎が一斉に駆け出して旗の下に群がる行事です。馬に乗れるというだけでは足りないことが、行事の内容から分かります。
女性も出られるのか
出られます。そしてここは近年に大きく変わった部分です。
2025年に条件が撤廃された
南相馬市の移住相談窓口が運営する情報サイトによると、2025年から、女性に対する参加条件「未婚の20歳未満」が撤廃されました。
日本経済新聞も2025年5月に「相馬野馬追、女性武者活躍に観客沸く 今年から出場条件撤廃」という記事を出しています(見出しのみ確認)。
それ以前は「未婚の20歳未満」だった
逆に言えば、2024年までは、女性は未婚かつ20歳未満でなければ出場できませんでした。成人した女性には道がなかったということです。
この条件がなくなったのが2025年。女性武者は増えつつある、とされています。
なお、この変更について公式サイトに記載は見つけられませんでした。上の2つの情報源によるものです。確実なところは執行委員会に確認してください。
費用はどのくらいかかるか
公式に記載がありません。この記事では書きません。
推測できる要素としては、馬の手配、甲冑と旗指物、宿泊、郷への所属にともなうものなどが考えられますが、いずれも金額の根拠がないので書けません。
祭の財政状況については、公式が「ご支援のお願い」のページで「開催費用は震災以前より増え、現在は収支が赤字の状態です」と書いています。運営側も費用に余裕がある状態ではない、という前提は押さえておいたほうがいいと思います。
馬に乗れない人が関われる形
整理すると、こうなります。
| 関わり方 | 馬に乗るか | 公式の窓口 |
|---|---|---|
| お供(相馬太田神社) | 乗らない | あり(Googleフォーム・年による) |
| 騎馬武者 | 乗る | 公式サイトに記載なし。騎馬会へ |
| 寄付・ふるさと納税 | - | あり(公式「ご支援のお願い」) |
| 公式グッズの購入 | - | あり(SUZURIで販売) |
| 観覧(有料席・無料エリア) | - | あり |
ふるさと納税については、公式が使い道まで書いています。寄付金の3分の1が執行委員会へ、3分の2が各市町村の相馬野馬追関連事業の財源になります。南相馬市と相馬市が窓口です。
体験ツアーで関わる
旅行会社が出す体験型のツアーが、関わり方の入口になることがあります。
ただし2026年10月26日時点で、2027年の相馬野馬追に関するツアーは確認できませんでした。読売旅行のキーワード検索では0件です。日程そのものが未発表なので、商品が出ていないという状態です。
ツアーの考え方は 相馬野馬追ツアー にまとめています。
まず誰に聞けばいいか
窓口は一本です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 団体名 | 一般社団法人相馬野馬追(相馬野馬追執行委員会事務局) |
| 所在地 | 〒975-8686 福島県南相馬市原町区本町二丁目27番地 |
| 電話 | 0244-22-3064 |
| FAX | 0244-22-3100 |
| メール | somanomaoi.from937@gmail.com |
| 営業時間 | 平日8:30〜17:15(土・日・祝日休み) |
南相馬市の商工観光部 観光移住課(0244-24-5263)も、市側の窓口として公開されています。
聞くときは「騎馬武者として出たい」なのか「お供として参加したい」なのかを分けて伝えたほうが、話が早いと思います。前者は騎馬会の話になり、後者は公式の募集の話になります。
よくある質問
参加するための条件は何ですか
騎馬武者については、公式サイトに条件の記載がありません。原則として相馬地方の騎馬会に属することが前提の構造になっています。お供(相馬太田神社)については、募集要項のPDFに条件が記載されています。
参加費用はいくらですか
公式に記載がありません。執行委員会(0244-22-3064)に確認してください。
参加人数はどのくらいですか
お行列に出るのは総勢約400騎と公式が書いています。神旗争奪戦は「数百騎」という表現です。お供の募集人数は公開されていません。
女性でも出られますか
2025年に「未婚の20歳未満」という条件が撤廃されたとされています。公式サイトには記載が見つからなかったため、確実なところは執行委員会に確認してください。
見学ではなく中に入りたいのですが
いちばん現実的なのは、お供の募集に応募することだと思います。2026年は2月18日に募集が始まり、3月27日に定員到達で終了しました。2027年に同じ募集があるかは未定です。
いつから準備すればいいですか
2026年の動きを見るかぎり、2月です。チケットの一般販売が2月9日、お供の募集開始が2月18日でした。公式が日程を発表するのはそれ以前になります。
まとめ|参加の要点
- 騎馬武者は5つの郷の騎馬会から出る構造。個人で申し込む形ではない
- 騎馬武者の条件と費用は公式に書かれていない
- ★公式は「相馬太田神社のお供」を一般募集している。申し込みはGoogleフォーム
- 2026年は2月18日募集開始 → 3月27日に予定数到達で終了
- 女性の条件は2025年に撤廃。それ以前は「未婚の20歳未満」だった(公式には記載なし)
- 馬は8割以上が元競走馬。甲冑も旗指物も「先祖伝来」
- 馬に乗らない関わり方は、お供・寄付・ふるさと納税・グッズ購入
- ふるさと納税は3分の1が執行委員会、3分の2が市町村の関連事業へ
- 窓口は一般社団法人相馬野馬追 0244-22-3064
- 動き出すのは2月。日程の発表はそれ以前
お供として出るにせよ見に行くにせよ、3日間のあいだ相馬地方にいることになります。原ノ町駅の周辺は宿の数が多くないので、日程が出たら早めに動くほうが選べます。
この記事の情報は2026年10月26日時点のもので、2027年(令和9年度)の日程と募集が公式に発表される前に書いたものです。相馬野馬追公式サイトのお知らせ「相馬太田神社ボランティアの募集について」(2026年2月18日)「相馬太田神社お供募集終了のおしらせ」(2026年3月27日)、「ご支援のお願い」「見どころ」「よくあるご質問」を確認しました。お供の応募条件は募集要項のPDFに記載されており、この記事では確認していません。女性の参加条件の撤廃は、南相馬市の移住相談窓口が運営する情報サイトと、日本経済新聞2025年5月の記事の見出しによるもので、公式サイトには記載が見つかりませんでした。騎馬武者の条件と費用は公式に記載がないため書いていません。元競走馬の割合はNumber Web(2023年8月26日・島田明宏)の報道によります。
