祭をしる matsuri

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籠町から伝わる「龍踊(じゃおどり)」の人数・楽器・見る場所

2026.10.28 読了 9分

長崎くんちで最も知られる演し物が龍踊(じゃおどり)です。「蛇踊り」とも書かれます。

龍を動かすのは龍衆10人と玉使い1人。囃子は8種類の楽器で、ドラとラッパが入ります。起源は唐人屋敷で唐人が踊っていた龍燈踊です。この記事は長崎市の文化財課の資料から、人数・楽器・見る場所を整理します。

3分で説明すると

  • 龍踊は県指定無形民俗文化財(昭和39年3月16日指定)。1970年に国の無形民俗文化財に選択
  • ★動かすのは龍衆10人と玉使い1人。これに交替要員が加わる
  • ★囃子は8種類|大太鼓・鞨鼓・銅鑼・大バツヲ・中バツヲ・小バツヲ・小鉦・音声喇叭
  • 起源は唐人屋敷の龍燈踊。本籠町の有志が唐人から技法と奏楽の伝授を受けた
  • 奉納の開始年代は不明。享保年間(1716〜36)または寛政年間(1789〜1801)頃という説
  • 籠町と諏訪町が県指定。2026年は筑後町が出した
  • 見られるのは諏訪神社・お旅所・中央公園・八坂神社の4踊場

龍踊とは何か

諏訪神社の奉納踊のひとつです。龍の形をしたものを複数人で担ぎ、玉を追いかけるように動かします。

県指定無形民俗文化財で、指定は昭和39年3月16日。 さらに昭和45年(1970年)6月9日に「龍踊」として国の無形民俗文化財に選択されています。

そして長崎くんちの奉納踊全体も、昭和54年(1979年)2月3日に国指定重要無形民俗文化財になっています。長崎県の文化財データベースが挙げている演し物は龍踊・龍船/唐人船/鯨引/太鼓山(コッコデショ)の4つで、龍踊はその筆頭です。

龍の大きさと人数

動かすのは11人

長崎市の文化財課が公開している人数です。

役 人数
龍衆 10人
玉使い 1人

これに交替要員が加わります。龍を持ち上げたまま動かし続けるので、途中で交代します。

龍の寸法は公的な資料に出ていない

現在の龍の長さと重さは長崎市のページに記載がありません。 古い記録として『長崎名勝図絵』に「籠の直径は一尺余り、長さは二尺ほど」とありますが、これは正月の遊びとして多数の籠をつないで絹を張り彩色したものの記述で、いまの龍の寸法ではありません。

背後に280人規模の組織がある

規模が分かる数字は町の組織のほうにあります。籠町龍踊は総員120名(会長・役員・龍指導者・龍衆・唐楽拍子指導者など)。さらにくんちの時は手衣裳などを担当する女性が160名加わります。

龍を動かす11人の背後に、280人規模の組織があるということです。

囃子に使う楽器

龍踊の音は独特です。長崎市が挙げている編成はこうなっています。

楽器 数
大太鼓 1
鞨鼓(パラパラ太鼓) 1
銅鑼(ドラ) 1
大蓮葉鉦(大バツヲ) 4
中バツヲ 4
小バツヲ 4
小鉦(キャンキャン) 1
音声喇叭 1

8種類・合計17です。

注目したいのはバツヲが12枚あること。大・中・小が各4枚で、これが音の層を作ります。そして音声喇叭(ラッパ)が1本。日本の祭の囃子では見ない楽器です。

籠町龍踊は唐楽拍子の3種のリズムと爆竹の中で演じられます。爆竹が入るのもこの演し物の特徴です。

唐人屋敷から伝わった

起源は中国です。長崎市の資料にはっきり書かれています。

本籠町の有志が唐人から伝授を受けた

唐人屋敷で唐人が踊っていた龍燈踊を、本籠町の有志が唐人から技法と奏楽の伝授を受けた。 そこに創意工夫を加えて、現在の龍踊になりました。

長崎くんちの奉納踊に異国趣味のものが多いことは、主催者の長崎伝統芸能振興会も「そのため江戸時代から豪華絢爛な祭礼として評判だった」と書いています。龍踊はその代表です。

いつ始まったかは分かっていない

諏訪神社の奉納踊に初めて登場した年代は不明で、享保年間(1716〜36)または寛政年間(1789〜1801)頃という説があります。

物証としては大太鼓に「文政八年酉八月吉日」の銘があります。文政8年は1825年です。

どの踊町が龍踊を出すか

長崎市が県指定無形民俗文化財としているのは籠町と諏訪町の龍踊です。

ただし出すのはこの2町だけではありません。2026年(令和8年)は筑後町が「傘鉾・龍踊」で出しました。

踊町は7年に一度の輪番です。長崎市内には58の踊町があり、7つの組に区分されていて、奉納踊を出す当番は7年に一度回ってきます。つまり龍踊を出す町が巡ってくる年にしか見られません。

出演町の一覧で先の年まで確認できます。2027年(令和9年)の7ヶ町に龍踊はありません(馬町=本踊、東濵町=竜宮船、八坂町=川船、銅座町=南蛮船、築町=御座船・本踊、湊町・広馬場町は未掲載)。

→ 長崎くんちの踊町一覧2027|7年に1度の輪番と出し物の違い

どこで見るのが一番いいか

龍踊が演じられるのは4つの踊場です。長崎市の資料は上演場所を諏訪神社境内・お旅所(大波止)・中央公園・八坂神社としています。

八坂神社|踊場と観覧席が近い

振興会が「踊場と観覧席が近く、迫力のある演技を間近で見られる」としている会場です。龍の動きと爆竹の音を近くで受けるならここです。

桟敷席は1桝4人掛けでS席30,000円・A席28,000円・B席26,000円(2026年)。奉納は10月8日の7:00からだけです。

諏訪神社|本来の奉納の場

氏神の大祭の中心です。振興会も「熱心なファンに人気が高く、良い席の確保は難しい」としています。

桟敷席は1桝4人掛けでS席36,000円・A席30,000円・B席24,000円・C席18,000円。立見席は当日発売で1人1,500円です。正面の長坂は無料ですが、事前応募・抽選制の「長坂整理券」が要ります。

中央公園|1人単位で買える唯一の会場

ほかの3つが1桝4人掛けなのに対して、中央公園だけ1人単位で買えます。砂かぶり椅子席7,000円/スタンドS席6,500円/スタンドA席4,500円(2026年)。

一人で行くなら実質ここ一択です(諏訪神社の立見席1,500円を除く)。

→ 長崎くんちの桟敷席2027|4つの踊場の位置・料金・座席表

無料で見る方法

桟敷席がなくても龍踊は見られます。庭先回りです。

各踊町は諏訪神社やお旅所など所定の踊場を済ませたあと、市内中心部の事業所・官公庁・民家などを訪ね、踊りを披露して福を分けます。これは無料で、まちなかで見かけることができます。

場所と時間を知る手段が2つあります。

  • 庭先回りマップ|9月末ごろ配布。長崎駅の観光案内所・バスターミナル・長崎くんち案内所など。Webにも掲載
  • 「長崎くんちナビ」|開催日に案内されるもので、演し物の現在位置が分かる

ただし庭先回りは玄関先や店先での披露なので、踊場のような全体の演技とは形が違います。

「もってこーい」の掛け声

龍踊が退場しようとすると、観客から掛け声がかかります。

「モッテコーイ」|長崎くんちの「ミニ辞典」によると「退場した曳物などを呼び戻す際の、アンコールの意味の掛け声」です。

ほかにも掛け声があります。

  • ショモーヤレ|アンコール
  • フトーマワレ|大きく回れ
  • ヨイヤァ|やったぞ

観客が声をかけると演し物が戻ってくるのがこの祭の形です。黙って見る祭ではありません。

龍踊だけを目当てに行くなら

条件が3つ重なります。

まず出す町が回ってくる年か

7年に一度の輪番なので、まずここです。「踊町と演し物」のページで先の年まで確認できます。

次にどの踊場に行くか

間近で見たいなら八坂神社、本来の場なら諏訪神社、1人で買うなら中央公園。踊場ごとに奉納の日が違います(2026年は八坂が10/8のみ、お旅所が10/7と10/9)。

最後に観覧券の販売日に間に合うか

踊場ごとにばらばらです。2026年は諏訪神社と八坂神社が6月上旬、お旅所が7月中旬、中央公園が8月上旬でした。2か月のあいだに4回あります。

そして販売・運営・払い戻しは各踊場が独自です。まとめて買う窓口はありません。

観覧券の販売は6月上旬から8月上旬まで踊場ごとにばらけますが、祭の日程は10月7日〜9日で固定です。朝7時台から始まるので前泊が前提になります。宿は券より先に押さえられます。

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よくある質問

Q. 長崎で龍が踊るお祭りはありますか
長崎くんちです。毎年10月7日〜9日、諏訪神社の秋季大祭で龍踊が奉納されます。ただし龍踊を出す町が回ってくる年に限られます。

Q. 龍踊りで使われている楽器は何ですか
大太鼓・鞨鼓(パラパラ太鼓)・銅鑼(ドラ)・大蓮葉鉦(大バツヲ)4・中バツヲ4・小バツヲ4・小鉦(キャンキャン)・音声喇叭の8種類です。籠町龍踊では爆竹も入ります。

Q. 何人で龍を動かしますか
龍衆10人と玉使い1人です。これに交替要員が加わります。籠町龍踊は組織全体で総員120名、くんちの時は女性160名が加わります。

Q. 龍の長さと重さはどれくらいですか
長崎市の文化財課のページに現在の寸法と重さの記載はありません。詳細は長崎市文化財課(095-829-1193)で確認できます。

Q. 奉納踊とは何ですか
諏訪神社の神前に奉納する踊りです。昭和54年2月3日に国指定重要無形民俗文化財になっています。演し物は踊り・曳物・担ぎ物・通り物に分けられます。

Q. 有名な踊りは何ですか
長崎県の文化財データベースが挙げているのは龍踊・龍船、唐人船、鯨引、太鼓山(コッコデショ)です。

Q. 龍踊はいつから始まったのですか
諏訪神社の奉納踊に初めて登場した年代は不明です。享保年間(1716〜36)または寛政年間(1789〜1801)頃という説があります。籠町の大太鼓には文政8年(1825年)の銘があります。

まとめ|龍踊の要点

  • 県指定無形民俗文化財(昭和39年3月16日)。1970年に国の無形民俗文化財に選択
  • ★動かすのは龍衆10人+玉使い1人+交替要員
  • ★囃子は8種類。バツヲが大中小で12枚、音声喇叭が1本。籠町は爆竹も入る
  • 起源は唐人屋敷の龍燈踊。本籠町の有志が唐人から伝授を受けた
  • 籠町龍踊は総員120名+くんち時は女性160名
  • ★現在の龍の長さ・重さは公的な資料に記載がない
  • 見られるのは諏訪神社・お旅所・中央公園・八坂神社。1人で買えるのは中央公園(4,500円〜)
  • 「モッテコーイ」はアンコール。声をかけると戻ってくる

龍踊を出す町が回ってくる年かどうかが最初の条件です。年が決まれば日程は10月7日〜9日で固定なので、観覧券より先に宿を押さえられます。

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→ 長崎くんち2027のスケジュール|3日間の違いと時刻表の読み方
→ コッコデショとは|長崎くんちの太鼓山と掛け声の意味

この記事の情報は2026年10月20日時点で、長崎市文化財課の「龍踊」「籠町龍踊(県指定無形民俗文化財)」、長崎県文化財データベース「長崎くんちの奉納踊」、長崎くんち公式サイト(長崎伝統芸能振興会)の「長崎くんちとは」「踊町と演し物」「どこで観られる?」「観覧券のご案内」「ミニ辞典」を確認したものです。観覧券の料金と販売日は令和8年(2026年)販売分で、2027年は各踊場の発表をご確認ください。

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