祇園祭の主役は山鉾(やまほこ)です。全部で34基あり、前祭が23基、後祭が11基です(京都市観光協会、祇園祭宵山会議の宵山ガイド)。
「山鉾」は「山」と「鉾」をまとめた言葉です。この2つは別のもので、見分け方があります。屋根の上を見れば分かります。
山鉾とは何か|読み方と意味
読み方は「やまほこ」。「山」と「鉾」という2種類の山車(だし)をまとめて呼ぶ言葉です。
巡行では34基が順に進みます。1基ずつ作りも大きさも違い、どの町が出すかも決まっています。「山鉾」は一種類の乗り物の名前ではなく、2つの系統の総称だと理解しておくと混乱しません。
「山」と「鉾」はどう違うか
祇園祭宵山会議(京都府・京都市・八坂神社・祇園祭協賛会・祇園祭山鉾連合会ほか)が出す宵山ガイドの数字を並べると、違いの大きさが分かります。
| 項目 | 鉾 | 山(舁山) |
|---|---|---|
| 重量 | 約7〜9トン(巡行時は約8.5〜12トン) | 約0.5〜1トン |
| 高さ | 地上から鉾頭まで約25m、屋根まで約8m | — |
| 車輪 | 直径2m前後 | — |
| 頂部 | 真木(しんぎ)と鉾頭 | 真松(しんまつ) |
| 動かす人数 | 曳手40〜50人 | 舁手14〜24人 |
決め手は屋根の上|真木・鉾頭か、真松か
見分け方はこれだけです。屋根の上から長いものが伸びていて、その先端に金物が付いているのが鉾。宵山ガイドは、山と鉾の違いは主に頂部の真木・鉾頭と真松の違いだとしています。
- 鉾:屋根から真木が立ち、その先端に鉾頭(金属の飾り)が付く
- 山:真木や鉾頭がなく、代わりに真松(松の木)が立つ
「先が金物なら鉾、松なら山」。現地でこれだけ覚えておけば、名前を知らなくても判別できます。
重さは10倍以上違う
鉾が約7〜9トン、巡行時には約8.5〜12トン。舁山が約0.5〜1トンです。10倍以上の差があります。
この差が、巡行の見え方を決めています。鉾は曳いて進み、舁山は担いで進みます。12トンのものを人力で動かすので、鉾は方向転換に時間がかかります。巡行の見どころとして「辻回し」が知られているのは、この重さがあるからです。
動かす人数も違う|40〜50人と14〜24人
鉾の曳手は40〜50人、舁山の舁手は14〜24人です。
つまり1基あたりに関わる人の数が倍以上違います。鉾は曳手だけでこの人数で、ほかに囃子方も乗ります。山鉾の列が長く見えるのは、山鉾そのものの長さだけでなく、周りの人の数によるものです。
名前が「山」でも鉾に見えるものがある|曳山
ここが見分け方の例外です。宵山ガイドによると、岩戸山・北観音山・南観音山・鷹山は「曳山(ひきやま)」で、形は鉾とほぼ同じです。
名前に「山」が付いているのに、見た目は鉾に近い。車輪があって曳いて進みます。
では何が違うのか。屋根の上です。曳山は形が鉾と似ていても、真木と鉾頭ではなく真松が立ちます。
だから見分け方は屋根の上で変わりません。大きさや車輪で判断すると曳山で間違えますが、頂部を見れば正しく分かります。
全部で34基|前祭23基・後祭11基
| 巡行 | 基数 | 宵山 | 巡行日 |
|---|---|---|---|
| 前祭(さきまつり) | 23基 | 7月14〜16日 | 7月17日 |
| 後祭(あとまつり) | 11基 | 7月21〜23日 | 7月24日 |
| 合計 | 34基 | — | — |
前祭と後祭で出る山鉾が決まっている
34基が2回に分かれて巡行します。どの山鉾がどちらに出るかは決まっています。年によって入れ替わるものではありません。
つまり見たい山鉾がある場合、行く日が決まります。長刀鉾は前祭、橋弁慶山は後祭。両方見たいなら7月に2回京都へ行くことになります。前祭と後祭の違いは 祇園祭の前祭と後祭の違い にまとめました。
先頭は決まっている|長刀鉾と橋弁慶山
巡行の順番は「くじ取り」で決まりますが、先頭は固定です。
- 前祭の先頭は長刀鉾
- 後祭の先頭は橋弁慶山
この2基はくじを引きません。ほかの山鉾はくじで順番が決まり、それを巡行当日に確認するのが「くじ改め」です。くじ改めの場所は前祭が四条堺町、後祭が市役所前です。
先頭が鉾(長刀鉾)と山(橋弁慶山)で分かれているのも、山鉾という言葉が2系統の総称であることの表れです。順番の一覧は 祇園祭のプログラム にまとめました。
見分け方の手順
現地で判断する順番はこうなります。
- 屋根の上を見る。長いものが伸びていて先端に金物があれば鉾、松が立っていれば山
- 車輪があるかを見る。車輪があって真松なら曳山(岩戸山・北観音山・南観音山・鷹山)
- 車輪がなく担がれているなら舁山
- 大きさで判断しない。曳山は鉾とほぼ同じ大きさ
夜は提灯で形が見えにくい
宵山の夜は駒形提灯に灯りが入ります。きれいですが、屋根の上は暗くて見えにくくなります。
見分け方を試すなら明るいうちに回るのが確実です。宵山の期間は昼から山鉾が建っているので、夕方までに頂部を確認して、暗くなってから提灯を見る、という順番が効きます。宵山の回り方は 祇園祭の宵山 にまとめました。
どこで見られるか|建つ日と場所
山鉾は常設ではありません。毎年組み立てて、巡行が終われば解体されます。
山建て・鉾建ては巡行の1週間前から
| 山建て・鉾建て | 宵山 | 巡行 | |
|---|---|---|---|
| 前祭 | 7月10〜14日 | 7月14〜16日 | 7月17日 |
| 後祭 | 7月18〜21日 | 7月21〜23日 | 7月24日 |
組み立てのあとに試し曳きの「曳き初め」が行われます。建ちかけの山鉾や曳き初めを見たいなら、宵山より前に行くことになります。
宵山の3日間は町に立っている
宵山の期間は、山鉾がそれぞれの町に立った状態です。近くまで行って見上げられるのはこの期間です。
巡行当日は動いているので、沿道から通り過ぎるのを見る形になります。構造をじっくり見るなら宵山、動きを見るなら巡行という使い分けになります。
各山鉾町の会所では、御神体にちなむ護符や厄除け粽も授与されます(祇園祭のちまき)。山鉾周辺の旧家や老舗が秘蔵の美術品を飾る屏風祭もこの期間です。
巡行で見るか、宵山で見るか
| 宵山 | 巡行 | |
|---|---|---|
| 山鉾の状態 | 町に立っている | 動いている |
| 見られる距離 | 近くで見上げられる | 沿道から |
| 構造を見るか | 向いている | 通り過ぎるので難しい |
| 見られる基数 | 歩いて回った数だけ | 23基または11基すべて |
| 日 | 前祭7月14〜16日/後祭7月21〜23日 | 前祭7月17日/後祭7月24日 |
山と鉾の見分けを目的にするなら宵山です。34基の構造を比べるには近くで見る必要があります。全基をまとめて見たいなら巡行で、前祭なら23基が順に通ります。
前祭の巡行は7月17日 午前9時に四条烏丸を出発し、新町御池に11時20分頃。2時間20分かけて進みます。どこで待つかで見始める時刻が変わります。日程は 祇園祭の日程 にまとめました。
よくある質問
Q. 山鉾とは何ですか?
A. 祇園祭の巡行に出る山車で、「山」と「鉾」の2系統をまとめた呼び方です。全部で34基あり、前祭が23基、後祭が11基です。
Q. 読み方は何ですか?
A. 「やまほこ」です。
Q. 山と鉾はどう違うのですか?
A. 屋根の上を見れば分かります。鉾には真木が立ち、その先端に鉾頭が付きます。山には真木や鉾頭がなく、代わりに真松が立ちます。重さも鉾が約7〜9トン、舁山が約0.5〜1トンで10倍以上違います。
Q. 何基ありますか?
A. 34基です。前祭が23基、後祭が11基で、どの山鉾がどちらに出るかは決まっています。
Q. 名前が「山」なのに鉾みたいなものがありますが?
A. 曳山です。岩戸山・北観音山・南観音山・鷹山は曳山で、形は鉾とほぼ同じですが、屋根の上には真松が立ちます。見分けるときは大きさではなく頂部を見てください。
まとめ|山鉾の見分け方
- 山鉾は「山」と「鉾」の総称。全部で34基(前祭23基・後祭11基)
- 見分け方は屋根の上。真木と鉾頭があれば鉾、真松があれば山
- 重さは鉾が約7〜9トン(巡行時8.5〜12トン)、舁山が約0.5〜1トン
- 動かす人数は曳手40〜50人、舁手14〜24人
- 曳山(岩戸山・北観音山・南観音山・鷹山)は形が鉾に近い。大きさで判断しない
- 先頭は前祭が長刀鉾、後祭が橋弁慶山。この2基はくじを引かない
見に行く前に確認すること
- 見たい山鉾が前祭か後祭か(出る日が決まっている)
- 構造を見るなら宵山、全基を見るなら巡行
- 屋根の上を見るなら明るいうちに回る(夜は提灯で見えにくい)
- 建ちかけを見たいなら山建て・鉾建ての期間(前祭7月10〜14日/後祭7月18〜21日)
見どころは 祇園祭の見どころ、懸装品は 祇園祭のタペストリー、歴史は 祇園祭とは も参考にしてください。
この記事の情報は2026年10月18日時点で、祇園祭宵山会議(京都府・京都市・八坂神社・祇園祭協賛会・祇園祭山鉾連合会ほか)の「祇園祭 宵山ガイド(WEB版)2026」、京都市観光協会の「祇園祭」「祇園祭に行こう」を確認したものです。
