祇園祭の山鉾巡行は年に2回あります。7月17日が前祭(さきまつり)、7月24日が後祭(あとまつり)です。
同じ祭の一部ですが、規模も人出も、見える景色もかなり違います。どちらに行くかで体験が変わるので、違いを先に押さえてください。
ひとことで言うと|規模が半分、屋台がない
| 前祭(さきまつり) | 後祭(あとまつり) | |
|---|---|---|
| 山鉾の数 | 23基 | 11基 |
| 宵山 | 7月14〜16日 | 7月21〜23日 |
| 山鉾巡行 | 7月17日 午前9時 四条烏丸発 | 7月24日 午前9時30分 烏丸御池発 |
| 先頭の山鉾 | 長刀鉾 | 橋弁慶山 |
| 屋台(露店) | 7月15日・16日にある | ない |
| 歩行者天国 | 7月15日・16日 18時頃〜23時頃 | ない |
| 同じ日の神輿 | 神幸祭(夕方〜夜) | 還幸祭(夕方〜深夜) |
後祭は前祭の半分以下の規模で、屋台もない。この2点がすべての違いの土台になっています。
山鉾の数が違う|前祭23基・後祭11基
祇園祭の山鉾は全部で34基(京都市観光協会)。そのうち前祭が23基、後祭が11基です(祇園祭宵山会議の宵山ガイドに載る山鉾名の数)。
基数が倍以上違うということは、巡行を見る時間も変わります。23基が順に通る前祭は、先頭が出発してから最後尾が通り過ぎるまで長くかかります。後祭は11基なので短く終わります。
有料観覧席の枠も違う|団体の上限は前祭100枚・後祭50枚
基数の差は、席の供給にも表れます。京都市観光協会の団体先行予約の案内では、1団体の申込上限が前祭100枚、後祭50枚とされていました。
後祭のほうが席の枠が小さいということです。「後祭は空いているから席は取りやすい」と単純には言えません。席は御池通の一般席で1枚4,500円(税込・2024年)、一般発売は6月上旬の予定です。詳しくは 祇園祭の有料観覧席 にまとめました。
日程が違う
前祭と後祭は、1週間ずれて同じ構造を繰り返します。
宵山の日|前祭7月14〜16日、後祭7月21〜23日
どちらも3日間です。山鉾が建ち、夜に駒形提灯の灯りが入り、祇園囃子が流れます。
山鉾を組み立てる山建て・鉾建ては、前祭が7月10〜14日、後祭が7月18〜21日。建ちかけの山鉾を見るなら宵山より前です。宵山の回り方は 祇園祭の宵山 にまとめました。
巡行の日|7月17日と7月24日
巡行はどちらも午前中です。前祭が7月17日、後祭が7月24日。ちょうど1週間あいています。
日付は毎年固定なので、曜日は年によって変わります。2027年は7月17日・24日がどちらも土曜日です。日程の全体像は 祇園祭の日程 にまとめました。
屋台と歩行者天国が出るのは前祭だけ
ここがいちばん実務的な違いです。祇園祭宵山会議の宵山ガイドによると、
- 7月15日・16日の18時頃〜23時頃、四条通と烏丸通の一部区間で歩行者用道路規制
- 歩行者は四条通の左側通行を求められる
- この間、コインパーキングの出入りができない
- 7月14日と後祭宵山期間中(7月21〜23日)は、この規制も露店の出店もない
つまり屋台が出るのは祇園祭の31日間のうち2日だけです。「祇園祭の屋台」を目的に行くなら、7月15日か16日に行くしかありません。
逆に言えば後祭には屋台の混雑がないということです。山鉾と町家を見る時間が取れます。屋台の詳細は 祇園祭の屋台 にまとめました。
混雑がまるで違う
混雑の差は、基数の差(23対11)より大きくなります。理由は重なるからです。
- 山鉾が倍以上あるので、見る対象が多く、回る範囲も広い
- 屋台があるので、山鉾を見ない人も集まる
- 歩行者天国になるので、車道まで人が出る
宵山ガイドは熱中症対策と雑踏事故防止を求めていて、全ての山鉾町にAEDを設置し、子どもステーション、エコステーション、マイボトル用給水機を置いています。これだけの備えが必要な混雑だということです。
2027年は巡行が2回とも土曜日
日付が固定なので、年によって混雑が変わります。
| 日付 | 2026年 | 2027年 |
|---|---|---|
| 7月16日(宵山・歩行者天国) | 木 | 金 |
| 7月17日(前祭巡行) | 金 | 土 |
| 7月24日(後祭巡行) | 金 | 土 |
2027年は巡行が2回とも土曜日、歩行者天国の2日目が金曜日。休みを取らずに行けるぶん、人が増える前提で動いてください。混雑を避けるなら後祭の優位が大きくなる年です。
巡行のルートと進む向きが逆
同じ道を通りますが、向きが反対です。
| 前祭(7月17日) | 後祭(7月24日) |
|---|---|
| 四条烏丸 9:00(出発) | 烏丸御池 9:30(出発) |
| 河原町四条 9:35 | 河原町御池 10:00 |
| 河原町御池 10:20 | 四条河原町 10:40 |
| 新町御池 11:20 | 四条烏丸 11:20 |
前祭は四条通から御池通へ、後祭は御池通から四条通へ。待つ場所を同じにすると、見える時刻が変わります。
出発時刻と出発地点が違う
前祭は午前9時に四条烏丸、後祭は午前9時30分に烏丸御池。30分の差があります。
これは実務に効きます。前祭を出発地点で見るなら、9時前に四条烏丸にいる必要があります。後祭なら9時30分前に烏丸御池です。
くじ改めの場所が違う
巡行の順番を確認する「くじ改め」は、山鉾が1基ずつ止まるので見どころのひとつです。この場所も違います。
- 前祭:四条堺町
- 後祭:市役所前
両方で見たいなら、別の場所に行くことになります。
先頭の山鉾が違う|長刀鉾と橋弁慶山
巡行の先頭は毎年決まっています。
- 前祭の先頭は長刀鉾
- 後祭の先頭は橋弁慶山
この2基はくじを引かずに順番が決まっていることで知られています。ほかの山鉾は「くじ取り」で順番が決まり、それを巡行当日に確認するのが「くじ改め」です。
「後祭の順番」を知りたい場合は、先頭が橋弁慶山で、以降はその年のくじの結果によります。順番の一覧は 祇園祭のプログラム、山鉾そのものの違いは 祇園祭の山鉾一覧 にまとめました。
後祭だけにあるもの|花傘巡行
後祭には花傘巡行というコースもあります(祇園祭宵山会議の宵山ガイド)。山鉾巡行とは別の列です。
前祭にはありません。基数が少ないぶん、後祭には別の見せ場があるという構成です。
神輿は1週間かけて往復する|神幸祭と還幸祭
山鉾とは別に、神輿の行事があります。前祭と後祭の巡行の日は、神輿の往路と復路でもあります。
| 日 | 神輿の行事 | 内容 |
|---|---|---|
| 7月17日 | 神幸祭 | 16時頃 八坂神社本殿で祭典 → 18時 神輿3基が西楼門の下に集結 → 夜、四条寺町の御旅所に入る |
| 7月24日 | 還幸祭 | 夕方 御旅所を出発 → 深夜 八坂神社に戻る |
つまり神輿は7月17日に神社を出て、1週間を御旅所で過ごし、24日に帰ってきます。前祭と後祭が1週間あいているのは、この往復と対応しています。
山鉾巡行は午前、神輿は夕方から。同じ日に両方見られますが、間に6時間ほど空きます。神輿の見方は 祇園祭の神輿渡御 にまとめました。
どちらに行くべきか
| こういう人 | 行く日 | 理由 |
|---|---|---|
| 初めて行く | 前祭 | 山鉾が23基。屋台と歩行者天国もある |
| 屋台が目的 | 前祭の7月15日か16日 | この2日しか露店が出ない |
| 混雑が苦手 | 後祭 | 基数が半分以下で、屋台も歩行者天国もない |
| 山鉾をじっくり見たい | 後祭 | 人が少なく、1基にかけられる時間が長い |
| 巡行を出発地点で見たい | どちらでも | 前祭は9時に四条烏丸、後祭は9時30分に烏丸御池 |
| 小さい子ども連れ | 後祭 | 混雑が軽い。ただし屋台はない |
| 2027年に混雑を避けたい | 後祭 | 巡行が2回とも土曜なので、前祭の混雑がとくに増える |
両方行くなら11日間の中で2回
前祭の宵山(7月14日)から後祭の巡行(7月24日)まで11日間あります。両方見るには、この間に2回京都へ行くか、長く滞在することになります。
現実的なのは7月16〜17日と7月23〜24日の2回です。それぞれ宵山の最終日と巡行当日をまとめて見る形になります。宿は 7月の京都がもともと混む時期なので、早めに押さえてください。
よくある質問
Q. 後祭の順番はどうなっていますか?
A. 先頭は橋弁慶山で、以降はその年のくじの結果で決まります。順番を確認する「くじ改め」は後祭では市役所前で行われます(前祭は四条堺町)。
Q. 後祭の宵山はいつですか?
A. 7月21〜23日の3日間です。前祭の宵山(7月14〜16日)と違い、屋台(露店)も歩行者天国もありません。
Q. 一番盛り上がる日はいつですか?
A. 人出で言えば、歩行者天国と屋台がある7月15日・16日、または23基が巡行する7月17日です。2027年は7月17日が土曜日なので、とくに人が増える見込みです。
Q. 2027年の日程はどうなりますか?
A. 前祭の宵山が7月14〜16日、前祭の巡行が7月17日(土)、後祭の宵山が7月21〜23日、後祭の巡行が7月24日(土)です。日付は毎年固定です。
Q. 山鉾の数はなぜ違うのですか?
A. 前祭が23基、後祭が11基で、合わせて34基です。巡行が2回に分かれていて、どの山鉾がどちらに出るかが決まっています。
まとめ|前祭と後祭の選び方
- 山鉾は前祭23基・後祭11基。規模が半分以下になる
- 屋台と歩行者天国は前祭の7月15日・16日だけ。後祭にはない
- 巡行は前祭が7月17日 午前9時 四条烏丸発、後祭が7月24日 午前9時30分 烏丸御池発。ルートは逆向き
- 先頭は前祭が長刀鉾、後祭が橋弁慶山。くじ改めの場所も違う
- 初めてなら前祭、混雑が苦手なら後祭
- 2027年は巡行が2回とも土曜日。混雑を避けるなら後祭の優位が大きい
決める前に確認すること
- 屋台が目的かどうか(前祭の2日だけ)
- 巡行を出発地点で見るか、途中で見るか(時刻が変わる)
- 行く年の曜日(土日に当たる年は混雑が増える)
- 宿を押さえたか
日程は 祇園祭の日程、見どころは 祇園祭の見どころ、交通規制は 祇園祭の交通規制 も参考にしてください。
この記事の情報は2026年10月18日時点で、京都市観光協会の「祇園祭」「祇園祭に行こう」、祇園祭宵山会議(京都府・京都市・八坂神社・祇園祭協賛会・祇園祭山鉾連合会ほか)の「祇園祭 宵山ガイド(WEB版)2026」、京都市観光協会の祇園祭有料観覧席の案内を確認したものです。
