福岡には大きな祭が3つあります。5月のどんたく、7月の山笠、9月の放生会。
「どんたくと山笠はどう違うのか」とよく聞かれますが、別の祭です。時期も、中身も、担い手も違います。
3分で説明すると
- 博多どんたくは5月3日・4日(前夜祭は5月2日)。博多祇園山笠は7月1日〜15日
- どんたくは市民参加型のパレードと演舞台、山笠は櫛田神社の奉納行事
- ★どんたくは見て参加する祭、山笠は見るもの(飾り山)と走るもの(舁き山)に分かれる
- 福岡三大祭の3つ目は筥崎宮の放生会(ほうじょうや)。毎年9月、7日間
- どんたくの語源はオランダ語の「ZONDAG(休日)」
- 山笠の起源は聖一国師の疫病退散の伝承(1241年または1243年)
- 宿が取りにくいのはGW(どんたく)と7月15日前後(山笠)
- 3つ全部を見るなら年に3回福岡へ来ることになる
博多どんたくと博多祇園山笠は別の祭
同じ博多の祭ですが、別の行事です。主催も違います。
| 博多どんたく | 博多祇園山笠 | |
|---|---|---|
| 正式名称 | 福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり | 博多祇園山笠 |
| 時期 | 5月3日・4日(前夜祭5月2日) | 7月1日〜15日 |
| 期間 | 2日間 | 15日間 |
| 性格 | 市民の祭り | 櫛田神社の奉納行事 |
| 主催 | 福岡市民の祭り振興会 | 博多祇園山笠振興会(櫛田神社内) |
| 中身 | パレードと演舞台 | 飾り山笠と舁き山笠 |
| 担い手 | 市民・どんたく隊 | 七流の男衆 |
| 国の文化財 | 博多松ばやし(令和2年3月16日) | 博多祇園山笠行事(昭和54年2月3日) |
博多どんたく|5月3日・4日
正式には「福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり」です。
「どんたく」の語源はオランダ語の「ZONDAG(ゾンターク=休日)」。ちなみに「半ドン」も「半分ドンタク」という意味だと公式が説明しています。
起源は治承3年(1179年)に始まったとされる「松ばやし」で、約840年余の伝統行事とされています。開催日が5月3日・4日と定められたのは昭和24年(1949年)です。
そして5月3日は博多部、4日は福岡部を回ります。
博多祇園山笠|7月1日〜15日
櫛田神社の夏祭りです。起源は聖一国師が疫病退散のため施餓鬼棚に乗って祈祷水をまいたという伝承(振興会は1241年、福岡市の文化財は1243年としていて食い違います)。
15日間のうち、7月1日から飾り山笠が立ち、7月10日から舁き山笠が動きます。最終日の7月15日午前4時59分、追い山笠で終わります。
★「見るもの」か「走るもの」か
いちばん分かりやすい軸がこれです。
| 何が動くか | 観客は | |
|---|---|---|
| どんたく | 人(どんたく隊のパレード、演舞台) | 沿道や会場で見る。参加もできる |
| 山笠(飾り山) | 動かない(市内13か所に立つ) | 見に行く。時間を選ばない |
| 山笠(舁き山) | 山笠が走る(七流の男衆が舁く) | 沿道で見る。5分間隔で通る |
どんたくは人が主役。しゃもじを叩いて練り歩くのが原型で、公式の説明によると、商家の前をどんたく囃子が通りかかったとき、夕食の支度中だったおかみさんが浮かれ出して手にしていたしゃもじを叩いて囃子に加わったのが始まりだとされています。
山笠は山笠が主役。10トン近いものを担いで、約5kmを30分前後で走ります。
市民参加型か、神事か
もうひとつの軸です。
どんたくは「福岡市民の祭り」という名前のとおり、市民が参加する祭です。どんたく隊として出る形があります。
山笠は櫛田神社の奉納行事で、担い手は七流(土居流・大黒流・恵比須流・西流・東流・中洲流・千代流)です。流は太閤町割り(1587年)以来の町組織で、年寄・中年・若手という年齢組織を持っています。
ただし、どんたくの中心にある博多松囃子も、福神流・恵比須流・大黒流の3福神+兒(ちご)流の4流で構成されています。「流」という単位は、どちらの祭にも出てきます。
福岡三大祭の3つ目は放生会
5月のどんたく、7月の山笠。そして9月の放生会で三大祭です。
筥崎宮の祭で、読み方は一般には「ほうじょうえ」ですが、筥崎宮では「ほうじょうや」と呼ばれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時期 | 毎年9月。2026年は9月12日(土)〜18日(金)の7日間 |
| 場所 | 筥崎宮 |
| 規模 | 長さ約1kmの参道に約500軒の露店。期間中の来場者は約100万人 |
| 由来 | 生命を大切にし殺生を戒める仏教の教えに由来。平安時代に始まったとされる |
| 名物 | 新生姜(葉付き)、社日餅(やきもち)、筥崎宮おはじき |
放生会の御神幸は奇数年のみの神事です(2026年は行われません)。
露店500軒・来場者100万人という規模は、3つの中でも別格です。祭そのものより、参道の露店を歩く祭だと考えると分かりやすいと思います。
3つを月別に並べる
| 月 | 祭 | 日程 | 中心にあるもの |
|---|---|---|---|
| 5月 | 博多どんたく港まつり | 5月3日・4日(前夜祭2日) | パレードと演舞台。市民が参加する |
| 7月 | 博多祇園山笠 | 7月1日〜15日 | 飾り山笠と舁き山笠。櫛田神社の奉納 |
| 9月 | 筥崎宮 放生会 | 9月の7日間 | 約500軒の露店と神事 |
この表のとおり、いつ福岡へ行くかで見られる祭が決まります。どれも日付が決まっているので、逆算して予定を立てられます。
初めて福岡の祭を見るならどれか
条件で変わります。
| 条件 | 向いている祭 | 理由 |
|---|---|---|
| 連休に行きたい | どんたく(5月3日・4日) | GWの中。ただし宿が最も取りにくい |
| 迫力を見たい | 山笠(7月15日 追い山笠) | 午前4時59分。歩ける宿が要る |
| 早起きしたくない | 山笠(7月13日 集団山笠見せ) | 15:30。天神まで山笠が来る |
| のんびり歩きたい | 放生会(9月) | 参道に約500軒の露店 |
| 時間が読めない | 山笠(飾り山笠) | 7月1〜14日ならいつでも見られる |
「祭を見に行く」という目的なら、7月13日の集団山笠見せがいちばん条件が緩いと思います。午後3時半で、場所も天神です。
町の雰囲気がどう違うか
同じ博多でも、祭によって町の状態が変わります。
- どんたく|GWの2日間。市内各所に演舞台が立ち、パレードが通る
- 山笠|15日間続く。7月1日から飾り山笠が立ち、10日から舁き山笠が走る。法被姿の人が町にいる期間が長い
- 放生会|筥崎宮の参道に集中。約1kmに約500軒の露店
山笠は期間が長いぶん、「祭の最中の博多」に滞在できるのが特徴です。どんたくと放生会は、その日に行かないと見られません。
GWと7月と9月で宿の取りにくさが違う
実務的にはここがいちばん効きます。
| 時期 | 条件 |
|---|---|
| 5月3日・4日(どんたく) | ゴールデンウィークと重なる。祭に関係なく宿が埋まる時期 |
| 7月15日前後(山笠) | 追い山笠が午前4時59分。歩いて行ける宿に需要が集中する |
| 9月(放生会) | 来場者は約100万人だが、7日間に分散する |
どんたくはGWという全国的な繁忙期と重なります。山笠は「櫛田神社まで歩けるか」という条件が加わるので、エリアが限られます。
エリアごとの選び方は 博多のホテル にまとめました。
3つ全部を見るなら年に3回来ることになる
5月・7月・9月。重なりません。
どれかに絞るなら、その年に何を見たいかで決めることになります。そして山笠だけは15日間あるので、同じ7月の中でも「どの日に行くか」という選択がもう一段あります。
日ごとの違いは 博多祇園山笠2027の日程、追い山笠の詳細は 追い山笠の見る場所 に書きました。どんたくは 博多どんたくの日程 と どんたくの歴史 にまとめています。
よくある質問
どんたくと山笠は同じ祭ですか
違います。どんたくは5月3日・4日の市民の祭り、山笠は7月1日〜15日の櫛田神社の奉納行事です。主催も担い手も別です。
福岡三大祭とは何ですか
一般に博多どんたく(5月)・博多祇園山笠(7月)・筥崎宮の放生会(9月)を指します。
どちらが古いですか
どんたくの起源とされる「松ばやし」は治承3年(1179年)、山笠の起源とされる聖一国師の伝承は1241年(または1243年)です。起源の年で見るとどんたくのほうが早くなります。
両方とも国の文化財ですか
どちらも指定されています。「博多松ばやし」が令和2年(2020年)3月16日、「博多祇園山笠行事」が昭和54年(1979年)2月3日です。山笠は2016年にユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
放生会はなんと読みますか
一般には「ほうじょうえ」ですが、筥崎宮では「ほうじょうや」と呼んでいます。
どれがいちばん混みますか
来場者数で見ると放生会が約100万人(7日間)です。宿の取りにくさで見ると、GWと重なるどんたくと、歩ける範囲に需要が集中する山笠の7月15日前後になります。
まとめ|3つの祭の要点
- どんたくは5月3日・4日、山笠は7月1日〜15日、放生会は9月の7日間
- どんたくは市民参加型のパレードと演舞台、山笠は櫛田神社の奉納行事
- ★どんたくは人が動く、山笠は山笠が動く(舁き山)/立っている(飾り山)
- どんたくの語源はオランダ語の「ZONDAG(休日)」
- どんたくは5月3日が博多部、4日が福岡部
- 山笠の担い手は七流。太閤町割り以来の町組織
- 放生会は参道約1kmに約500軒の露店、来場者約100万人
- 文化財|博多松ばやしは2020年、博多祇園山笠行事は1979年。山笠は2016年にユネスコ
- 宿が取りにくいのはGW(どんたく)と7月15日前後(山笠)
- 3つとも時期が違うので、全部見るなら年に3回
→ 博多祇園山笠2027の日程/追い山笠
→ 博多どんたくの日程/どんたくの歴史/博多のホテル
この記事の情報は2026年10月26日時点のものです。博多どんたく港まつり公式サイトの「どんたくとは」、博多祇園山笠公式サイトの「山笠の歴史」「山笠うんちく」「スケジュール(令和八年度)」、福岡市の文化財「博多祇園山笠行事」、文化遺産オンライン、福岡市政だより、福岡県観光情報「クロスロードふくおか」の筥崎宮放生会の特集を確認しました。山笠の起源の年は、博多祇園山笠振興会が仁治2(1241)年、福岡市の文化財の説明が寛元元(1243)年としており食い違っています。放生会の2026年の日程は9月12日〜18日で、年によって変わります。
