博多祇園山笠を調べると、最初につまずくのがここです。
「山笠」と呼ばれるものが2種類あります。7月1日から街に立つ豪華なものと、10日から男衆が担いで走るもの。別物です。
これを知らずに7月5日に博多へ行くと、立っている山笠を見て「走らないのか」と思うことになります。
3分で説明すると
- 会期は7月1日〜15日。日付で固定されているので2027年も同じ
- ★飾り山笠は7月1日から市内13か所で公開。見るもの
- ★舁き山笠は7月10日から動く。担いで走るもの
- 最大の見どころ追い山笠は7月15日の午前4時59分
- 前倒しの見どころ|12日 追い山笠ならし(15:59)、13日 集団山笠見せ(15:30)
- 櫛田神社の桟敷券は追い山7,000円・追い山馴らし3,000円。事前予約は一切できない
- 流舁きのコースと時刻は公式が非公表
- 準備は6月から。棒洗い(6月初旬)、棒締め(6月中〜下旬)、飾り付け(6月27日〜)
博多祇園山笠はいつか
毎年7月1日から15日までです。日付で決まっているので、曜日は年によって変わります。
博多総鎮守・櫛田神社の奉納行事で、主催は博多祇園山笠振興会(櫛田神社内)。国指定重要無形民俗文化財であり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
2027年も7月1日(木)〜15日(木)です。追い山笠の15日は木曜になります。
★「飾り山笠」と「舁き山笠」は別のもの
ここを最初に押さえると、15日間の構造が見えます。
飾り山笠は「見るもの」
7月1日から市内13か所で公開されます。福岡市の説明では「豪華絢爛」で、博多人形師が趣向を凝らして制作したものです。
立っているので、いつでも見られます。そして15日未明に解体され、翌年作り替えられます。
飾り付けは6月27日から始まります。人形の位置を指示するとき、左右ではなく「箱崎側」「姪浜寄り」という地名で言うのが博多のやり方です。
舁き山笠は「走るもの」
7月10日から動き出します。七流(土居流・大黒流・恵比須流・西流・東流・中洲流・千代流)がそれぞれ持ち、男衆が担いで走ります。
「舁(か)く」は肩に棒を乗せて運ぶこと。公式も「舁は常用漢字ではないため、普段は担ぐに置き換えられる」と説明しています。
つまり7月1日から9日までは、走る山笠は出ていません。この期間に博多へ行くと、見られるのは飾り山笠です。
15日間の主な行事
2026年(令和八年度)のスケジュールで並べます。日付は毎年同じです。
| 日付 | 行事 | 時刻 |
|---|---|---|
| 7月1日 | 注連下ろし/御神入れ/当番町お汐井とり/飾り山笠一斉公開 | - |
| 7月9日 | 全流お汐井とり | 18:00〜19:00過ぎ |
| 7月10日 | 流舁き | 流ごとに異なる |
| 7月11日 | 朝山笠/他流舁き | 早朝/1日2回 |
| 7月12日 | 追い山笠ならし | 15:59 |
| 7月13日 | 集団山笠見せ | 15:30 |
| 7月14日 | 流舁き | - |
| 7月15日 | 追い山笠 | 午前4時59分 |
| 7月15日 | 鎮めの能 | 午前6時〜 |
7月1日|飾り山笠の公開
この日に3つの神事があります。注連下ろし(町の角々で舁き山笠の流区域を清める)、御神入れ(飾り山笠に神を迎える)、当番町お汐井とり(箱崎浜で真砂を汲む)。
そして飾り山笠が一斉に公開されます。※恵比須流の注連下ろしは例年6月1日です。
7月9日|全流お汐井取り
18:00から19:00過ぎ。各流が箱崎浜に集まり、夕日に祈ります。
帰りには筥崎宮と櫛田神社に参拝します。夕方の浜に法被姿の男衆が集まる、絵になる行事です。
7月10日〜11日・14日|流舁き
舁き山笠が動き出すのが10日です。各流が自分の区域内を舁き回ります。
ただしコースは非公表で、時刻も流ごとに異なり公式には発表されていません。11日には朝山笠(早朝)と他流舁き(流の外に出る・1日2回)があります。
狙って見るのが難しい日ということになります。
7月12日|追い山笠ならし
15:59スタート。約4kmを全力で舁きます。ゴールは奈良屋町角。
「ならし」とはいえ本番と同じく櫛田入りと全コースの所要時間を計測します。午後に行われるので、朝起きる必要がありません。
7月13日|集団山笠見せ
15:30スタート。明治通りを呉服町交差点から天神(福岡市役所)まで進みます。
距離について、公式は「約1.3kmを往復」、福岡市は「2.1km」としていて表記が分かれています。
この日だけ、舁き山笠が博多部を出て天神側まで来ます。博多駅や天神に泊まっている人にはいちばん見やすい日です。
7月15日|追い山笠
午前4時59分。櫛田神社を出て約5km、ゴールは須崎町角です。
一番山笠が櫛田入りで「博多祝い唄」を歌い、二番山笠は6分後、三番以降は5分間隔で出発します。
そして午前6時から、櫛田神社の能舞台で鎮めの能。これで15日間が終わります。
追い山笠の詳細は 追い山笠の見る場所とコース に分けて書きました。
準備は6月から始まっている
7月1日が始まりに見えますが、実際はその前から動いています。
| 時期 | 行事 | 内容 |
|---|---|---|
| 6月初旬 | 棒洗い | 六本の棒を浜宮へ運び、海水で洗い清める。洗う前に神官がお祓い |
| 6月中〜下旬 | 棒締め | 麻縄と「おやし棒」で六本の棒を山笠台に固定。掛け声は「ぼー締めた!」 |
| 棒締め後 | 試し舁き | 当番町の若者が山笠を持ち上げて走り、固定を確かめる |
| 6月27日〜 | 飾り付け | 飾り山笠の人形を据え付ける |
山笠台は釘を使わない独特の構造で、山大工が組みます。人形は博多人形師が、竹の骨格に和紙を張り彩色し、博多織や金襴の着物を着せて作ります。作業のピークは梅雨期です。
どの日に行くのがいいか
見たいものによって、行くべき日が変わります。
| 見たいもの | 行く日 | 条件 |
|---|---|---|
| 飾り山笠だけ | 7月1日〜14日のいつでも | 市内13か所。立っているので時間を選ばない |
| 走る山笠を無理なく | 7月13日 集団山笠見せ(15:30) | 天神まで来る。午後なので動きやすい |
| 本番に近いものを午後に | 7月12日 追い山笠ならし(15:59) | タイム計測つき。約4km |
| 追い山笠 | 7月15日 午前4時59分 | 前夜からの場所取り。始発前 |
| お汐井取り | 7月9日 18:00〜 | 箱崎浜。夕方 |
1日しか取れないなら、追い山笠(15日)か集団山笠見せ(13日)です。前者は祭の頂点ですが午前4時59分。後者は午後3時半で、天神まで来ます。
2027年の7月15日は木曜です。平日の早朝に動くことになります。
コースと距離
走る3つの行事は、距離とゴールが違います。
| 行事 | 日時 | コース | 距離 |
|---|---|---|---|
| 追い山笠ならし | 7月12日 15:59 | 櫛田神社→奈良屋町角 | 約4km |
| 集団山笠見せ | 7月13日 15:30 | 呉服町交差点→天神(福岡市役所) | 公式は約1.3kmを往復/福岡市は2.1km |
| 追い山笠 | 7月15日 4:59 | 櫛田神社→須崎町角 | 約5km |
追い山笠のコースには清道旗が3つ立ちます。櫛田神社の清道、東長寺、承天寺の前です。櫛田神社の清道旗は下東町が嘉永元(1848)年に提案し、いまも管理しています。承天寺の旗は明治26(1893)年に正式な清道となり、土俵で支えて立てられます。
流舁きについては、公式がコースを非公表としています。偶然出会うものだと考えておくほうがいいと思います。
桟敷券はあるか
櫛田神社の境内に有料の桟敷席が約1800席あります。
| 行事 | 料金 |
|---|---|
| 追い山(7月15日) | 7,000円 |
| 追い山馴らし(7月12日) | 3,000円 |
そして重要な条件があります。公式Q&Aの回答です。
事前予約は一切できません
令和5年の例では6月26日9時から当日販売分のみが販売されました。年によって販売日が変わるので、櫛田神社 社務所(092-291-2951)に確認することになります。
※上の料金と販売方法は公式Q&Aに載っている令和5年の案内です。
アクセスと宿(深夜の移動)
追い山笠を見るなら、ここがいちばん実務的な問題になります。
午前4時59分スタート。そして見どころの櫛田神社周辺は混雑するため、場所によっては前夜から動く必要があります。
この時間、地下鉄もバスも動いていません。つまり歩いて行ける範囲に泊まっているかどうかで、見られるものが変わります。
追い山笠は午前4時59分です。始発より前なので、櫛田神社まで歩ける宿かどうかが決定的になります。博多駅前・中洲・キャナルシティ周辺が候補です。
エリアごとの選び方は 博多のホテル にまとめました。
観覧のときの注意
福岡市が挙げている注意です。
- 15日の追い山笠はスタート地点の櫛田神社周辺が混雑する
- 混雑する場所や歩道上での座り込み、傘の使用は控える
- 私有地や車道には立ち入らない
福岡市の観光情報サイト「よかなび」に観覧場所の地図が出ています。
よくある質問
2027年はいつ開催されますか
7月1日(木)〜15日(木)です。日付で固定されています。追い山笠は15日の午前4時59分です。
博多どんたくとの違いは何ですか
別の祭です。博多どんたくは5月3日・4日で、パレードと演舞台が中心の市民参加型。博多祇園山笠は7月1日〜15日で、櫛田神社の奉納行事です。どんたくと山笠の違い に整理しました。
2027年の集団山笠見せはいつですか
7月13日(火)の15:30です。日付が固定されているので、毎年13日になります。
山笠の禁忌は何ですか
公式サイトの「山笠の歴史」「山笠うんちく」「Q&A」には、禁忌についての記載を確認できませんでした。この記事では書きません。
飾り山笠はどこで見られますか
福岡市によると市内13か所で公開されます。7月1日から14日までで、15日未明に解体されます。
雨でも開催されますか
公式サイトに雨天時の扱いの記載を確認できませんでした。7月なので、雨具は持っていくことになります。
まとめ|日程の要点
- 会期は7月1日〜15日。2027年は7月1日(木)〜15日(木)
- ★飾り山笠は7月1日から市内13か所。見るもの
- ★舁き山笠は7月10日から。走るもの。七流が持つ
- 追い山笠は7月15日 午前4時59分。櫛田神社→須崎町角、約5km
- 追い山笠ならしは12日 15:59(約4km)、集団山笠見せは13日 15:30
- 流舁きのコースと時刻は公式が非公表
- 桟敷券は追い山7,000円・追い山馴らし3,000円。事前予約は一切できない
- 櫛田神社の境内に桟敷席が約1800席
- 準備は6月から|棒洗い・棒締め・試し舁き・飾り付け(6月27日〜)
- 追い山笠は始発前。歩いて行ける宿かどうかで見られるものが変わる
→ 追い山笠の見る場所/歴史と読み方/どんたくとの違い
→ 博多のホテル/京都の祇園祭の日程
この記事の情報は2026年10月26日時点のもので、2026年の博多祇園山笠(7月1〜15日)の終了後に書いたものです。博多祇園山笠公式サイトの「スケジュール(令和八年度)」「山笠の歴史」「山笠うんちく」「舁き山笠紹介(令和八年度)」「Q&A」と、福岡市政だよりの博多祇園山笠のページを確認しました。時刻と行事は2026年のものです。集団山笠見せの距離は、公式が「約1.3kmを往復」、福岡市が「2.1km」としており、表記が分かれています。桟敷券の料金と販売方法は公式Q&Aに載っている令和5年の案内です。飾り山笠・舁き山笠の高さと重さ、国の重要無形民俗文化財の指定年、ユネスコ登録年は、確認した公式・福岡市のページに記載がないため書いていません。
